ティー・フォー・ハーツ

文科・社科の記事と資料:日中古来の言葉・思考・芸術、リーディング和歌ソン(日本古典詩歌ランダム連続表示)など

  • 千家詩ききながし

    1、目的
    漢詩の現在中国語音ききながし題材の第一歩として、宋代より流伝する児童むけアンソロジー『千家詩』をえらび、関連資料をメモする(シリーズ目録:『漢詩の杜』https://t4h2.com/kanshi/

    2、朗誦音声データ
    学習中の『汉语听力速成. 入门篇』(2版、北京語言大学出版2011)の言語音と合うものを選んだ:
    白云出岫『完本 千家诗』(男声、参照 2024-03-01、https://www.ximalaya.com/album/220988) ― このコンテンツではすべて聞く場合にも認証必須でないが、20首目以降に直接アクセスしたい場合は、右上アイコン – 登録 – 賬号(アカウント)- 短信登録/注冊から、国番号(81)+携帯電話番号(先頭0を省く)を入力し「獲取」ボタンを押すとパズル実行後にSMSで6桁の数字がきて認証完了できる

    3、雲南大学出版「中国伝統文化経典児童読本シリーズ」について
    小学生向けの教科書で、本文・ピンインと、最小限の注解と、古典絵画・図案からえらんだ豊富な挿図と、から構成されている ききとり・誦読による言語音と、本文・挿図による視覚情報と、にまずは慣れしたしみましょうというもの シリーズ紹介文では、以下の古典経書の修得が推薦されている:

    (1)小学校卒業までに誦読し、学生(中国では小学~大学生までを広くさす)のうちに精読・暗誦を完了したい経書グループ
    論語、老子道徳経・大学・中庸、詩経、孟子、易教、唐詩三百首、尚書、荘子、楚辞、古詩源

    (2)幼児のうちから慣れ親しみ小学校卒業までに一定修得、学生のうちは補充的に誦読しておきたい経書グループ
    三字教・百家姓・千字文千家詩、考弟増広、声律啓蒙・笠翁対韻、幼学琼林、鑑略妥注(五字监)、龍文鞭影

    (3)関心にあわせて読みすすめ中学校卒業までに一定修得、学生のうちは更によく読んでおきたい経書グループ
    礼記、荀子、儀礼、爾雅、周礼、左伝、史記、戦国策、呂氏春秋、孫氏兵法・三十六計・六韜三略、古文観止、宋詞三百首

    (変更 2024-03-28)

  • 中国語の歴史番組「紀録片 – 中国(シーズン1-3)」

    今月から(2023-10-01-)始まった第三季ビデオが、絵画風CG・サントラ・神話ベース脚本含めてめちゃ気にいってます ナレーションがCG画面内に漢字ででて筋が追えるのでぜひ!
    CGは李東珅氏が数百人の青年アーチストと共同でまとめたもので幻想文学絵本のような出来ばえ またサントラは最初トロンレガシーだったのがタイトル劇伴部分では黒澤映画みたいになり、以後もサントラだけできいていられます こちらの担当は鯨升音楽/RISING WHALE MUSICグループ、 音楽総監督は徐鯉氏、シンセ部分の作編曲は王璐氏、またオケの筆頭作曲者はシーズン1から日本人の梅林茂氏とのこと ほか音楽関係は、微博RISING WHALEページ(https://weibo.com/risingwhale)に『記録片 – 中国 第三季』情報色々 またMANGOTVに特集ビデオ『纪录片《中国》第三季幕后制作微纪录片-音乐篇』(https://w.mgtv.com/b/587554/19841656.html)がある このサントラ別データで公開してほしい!(第一季分の12曲(MP3、計18’05’’)はこちらのページのコメント欄から:https://www.bilibili.com/video/av463440171/

    ●纪录片《中国》(第一季)シリーズ目録
    ― 第1集:春秋 | 儒道思想的开创:VIDEOTEXTPINYIN
    ― 第2集:众声 | 百家争鸣的时代
    ― 第3集:洪流 | 统一的中国蓄势待发
    ― 第4集:一统 | 大一统国家的诞生
    ― 第5集:天下 | 汉帝国奏响千古绝音
    ― 第6集:视野 | 班超出使西域
    ― 第7集:南渡 | 南北方文明深度融合
    ― 第8集:融合 | 拓跋宏开启民族融合大幕
    ― 第9集:佛变 | 佛教的本土化改造
    ― 第10集:关陇 | 关陇集团的形成
    ― 第11集:基业 | 隋朝再次统一中国
    ― 第12集:盛世 | 大唐盛世下的繁荣景象

    ●纪录片《中国 第二季》シリーズ目録
    ― 第1集:惊变 | 李白、杜甫亲历大唐兴衰更替:VIDEOTEXTPINYIN
    ― 第2集:梦境 | 如梦如幻的宋朝美学
    ― 第3集:大都 | 忽必烈完成大一统建立元朝
    ― 第4集:市井 | 关汉卿与元曲的兴起
    ― 第5集:臣子 | 张居正、海瑞的为臣之道
    ― 第6集:季风 | 中国人打开面向世界的窗口
    ― 第7集:大帝 | 康熙皇帝的圣君之道
    ― 第8集:觐见 | 英国马嘎尔尼使团访问中国
    ― 第9集:实业 | 实业救国
    ― 第10集:革命 | 革命先駆孙中山

    ●纪录片《中国 第三季》シリーズ目録
    ― 第1集:创世:VIDEOTEXTPINYIN
    ― 第2集:山海:VIDEOTEXTPINYIN
    ― 第3集:五帝
    ― 第4集:家园
    ― 第5集:双璧
    ― 第6集:择中
    ― 第7集:模范 | 一同跃入殷商王朝,开启青铜篇章
    ― 第8集:祭祀 | 走入三星堆,探秘古蜀文明
    ― 第9集:甲骨 | 一甲一骨,承载历史之声
    ― 第10集:天道 | 探寻二十四节气与八卦背后的奥秘
    ― 第11集:分封 | 探索周王朝的璀璨辉煌
    ― 第12集:礼乐 | 听周朝礼乐之声 看千古华章礼制

    (変更 2024-02-06)

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  • 李白 – 楊叛児

    1、目的
    漢詩の現在中国語朗誦音声と、あわせて誦読するためのピンインと、訓釈の例と、をメモにのこす(シリーズ目録:『漢詩の杜』https://t4h2.com/kanshi/

    2、朗誦音声データ
    学習中の『汉语听力速成. 入门篇』(2版、北京語言大学出版2011)の言語音と合うものを選んだ:
    零贰捌贰玖『【壹壹肆】杨叛儿』(男声、BILIBILI1’00”、https://www.bilibili.com/video/BV1C64y1a7Em/

    3、簡化字本文+ピンイン

    yángpànér

    jūnyángpànérqièquànxīnfēngjiǔ

    zuìguānrénbáiménliǔ

    yǐnyánghuājūnzuìliúqièjiā

    shānzhōngchénxiānghuǒshuāngyānlíngxiá

    4、コメント
    ・小婆児(愛人)の楊さん(楊婆児->楊叛児)による詠歌との設定 中国の訓釈書がふるっていて(钱『李白诗选』)一部をひくと、

    诗到此四句,情意更加激荡,直至最后有“博山炉中沉香火,双烟一气凌紫霞”,写两情之组合,已尽其到!然此双烟一气之喩,君心之想耶?妾心之想耶?君妾两心之想耶?或为君有此妙喩而妾和之耶?妾有此妙喩而君和之耶?或为君与妾同时生此妙喩耶?实耶?虚耶?诗意无究,令人玩味!古今诗人,能作此等语者,鲜矣!然唯有能作此等语,方为真诗人!太白真宁馨人也!

    と一気に昇天しそうな切迫で、北大の先生が李白作品への陶酔をかきつけている ほめ詞の「寧馨人」はこんなまたとない素晴らしい人といった語義

    ・「博山炉」は海にうかぶ仙山(博山)を模した香炉で、側面の穴からの煙立を雲霞が山の稜線に沿ってあがる様子にみたてるもの 西漢 – 魏代に宮中で流行した

    5、訓釈例
    ・武部利男P(立命大)『李白下』(中国詩人選集8、岩波1958、P2.58)
    ・钱志煕P(北京大)他『李白诗选(古代诗词典蔵本)』(商务印书馆2016、P51)
    ・萧涤非他『唐诗监赏辞典』(上海辞书出版社1983、P238)
    ・古诗文网『杨叛儿原文、翻译及赏析、拼音版及朗读_李白古诗_古诗文网』(ウエブ資料、参照 2023-10-23:https://so.gushiwen.cn/shiwenv_f314a144aa39.aspx

    (変更 2023-11-06)

    満城漢墓(河北省)出土の博山炉

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  • 紫霞へのみち ― ASCENDING INTO PURPLE HAZE

    源氏物語を古文献でよんでみる』『白氏文集巻子本(鎌倉時代)の「華原磬」』『長恨歌と長恨歌伝』『紫式部公園の紫式部人形』のつづき

    源氏物語鑑賞へのアプローチとして、古文・漢文にあらかじめ習熟しておく(高校国語はすべて忘れている前提ではじめる)

    1、古文の課題図書
    以下の順序で古文の読解になれていく(ウエブでひろった予備校講師による受験古文の読解学習ノウハウを転載、易 – 難の配列でならぶ)
    1-1、宇治拾遺物語
    1-2、十訓抄
    1-3、徒然草
    1-4、平家物語
    2-1、伊勢物語
    2-2、大和物語
    2-3、大鏡
    2-4、更級日記
    3-1、枕草子
    3-2、源氏物語

    2、漢文の課題図書
    紫式部が源氏物語で参照した漢文書*1の有名どころは注解つき本文にふれておく
    ・白居易の詩歌全集(白氏長慶集、白香山詩集など)
    ・史記(三家注)
    ・漢書(顔師古注)
    ・文選(李善注)

    3、課題図書のよみかた
    ・上記の課題図書は、古文であれば連綿かなで、漢文であれば中国語でなんとかよみたい 平安時代は、古文なら連綿かなでの写本、漢文なら楷書での写本を巻子本でくるくるよんだのだろうけど、前者は入手できる前近代墨書写本の影印書で、後者は前近代版本の影印書でためしてみる

    ・本文・訓釈・翻訳を対照するなら以下の書が初学者向けで市価がやすめだった:
    ― 大島建彦注『宇治拾遺物語』(新潮日本古典集成シリーズ、全訳なし、新潮1985)
    ― 永積安明訳『十訓抄』(文庫、古文本文のみで訳も注もなし、岩波1942)
    ― 木藤才蔵注『徒然草』(新潮日本古典集成シリーズ、全訳なし、新潮1977)
    ― 杉本啓三郎『新版 平家物語 全訳注 1-4』(講談社学術文庫~2017)

    ― 片桐洋一『伊勢物語全読解』(和泉書院2013、やすくないが親切)
    ― 高橋正治訳注『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 – 大和物語』(5版、日本古典文学全集シリーズ、小学館1976)
    ― 保坂弘司『大鏡 全現代語訳』(全訳注だが本文なし(大系などで参照)、講談社学術文庫1981)
    ― 犬養廉訳注『和泉式部日記 紫式部日記 更級日記 讃岐典侍日記 – 更級日記』(日本古典文学全集シリーズ、小学館1971)// 江國香織全訳2016(河出文庫2023)もある

    ― 渡辺実注『枕草子』(全訳なし、新日本古典文学大系シリーズ、岩波1991、全訳は全集などで)
    ― 玉上琢弥『源氏物語評釈』(全14巻、角川書店~1964、やすくないが親切)

    ― 佐久節訳注『白楽天詩集1-4』(続国訳漢文大成シリーズ、国民文庫刊行会1928、ふるいが全訳はよみやすい)
    ― 小竹文夫他訳『史記I・II』(筑摩世界文学大系6-7、本文全訳が主で注はわずか、筑摩1971、ちくま学芸文庫1-8と内容同じ)
    ― 小竹武夫訳『漢書1-8』(本文全訳と小竹注、ちくま学芸文庫~1997)
    ― 『文選』(新釈漢文大系シリーズ、明治書院、やすくないが本文全訳・訓釈はこれと全釈漢文大系シリーズ7冊(集英社~1974)から選べる)

    参照
    1段『源氏物語』における『白氏文集』引用の特色』(北陸大学紀要2008)

    (変更 2024-02-15)

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  • 語:詩・歌・曲・謡・咏・唱・誦・念・腔・賦・文・詞・辞・諺・節・楽・韻・律・調の中国新華字典におけるつかいわけ

    1、目的と資料範囲 
    詩歌・音楽・音声まわりで題記用語を適切につかいわけるために、中国語を重視してこれら用語をまとめておき、つかいわけの総合的判断へつなげる参照資料の1とする 極力『新華字典』*1での注解内にて参照関係を閉じたが、不足分は『OXFORD ADVANCED LEARNER’S ENGLISH-CHINESE DICTIONARY(以下OALD)』*2・『現代漢語詞典』*3などに頼った 追加的に一部用語について筆者解釈とそれを拡張した考察とを付した

    2、凡例
    ・「見出し語」(異体字)PINYIN:漢字字形は対応日本漢字に、語義は日本語でわかる文にした
    ・新華(#1-)#2:『新華字典』での#1異音字配列番号、#2字義項番号
    ・=見出し語(#1-)#2:同上規範にて同義語での字義項番号をさす
    ・%:通用規範異体字プレフィクス(通用の新字形繁体字や非通用字でない)
    ・/:同義の語文を併記(EG.日英語への試訳、やさしく言い換えた説明)

    3、用語まとめ
    「詩」SHI1
    ・歌咏朗誦できる文体の1(新華1) /POETRY
    ― 歌咏は唱、朗は明瞭、誦は述説、文は書面をさす 同韻語を詩文(詩歌と文辞)に分配する韻文が多用される
    ― 体は作品的体裁*1(=様式/STYLE)をさし、文体論(=風格学)が学術分野としてのSTYLISTICS*2 に対応する
    ― 典故:『尚書 – 虞書 – 舜典篇』(祖本はC.~BCE5TH成書か)「詩言志、歌永言、声依永、律和声、八音克諧[…]」
    ― 典故の解釈:意思や抒情などの心思(以上が「志」をさす)を言語として表出したものが「詩」の原義である*4 以下、詩歌を構成する歌・声・律について関連説明がつづく 永は咏と通じ唱をさす また声・律はここでは歌のスケール・チューニングをあわせる5声・12律の音楽用語をさす また和は和諧/HARMONYをさす
    ― 考察:これら周波数軸の和諧だけでなく「声」を言語音のひびきとみて、律を詩歌のリズム的なきまり(繰り返しパタン)とみれば、時間軸における言語音とリズムのつくりだす和諧作用、つまり詩文の韻律構造(格式・押韻・プロソディの3要素)を構成する分節群などの言語・音楽要素にも、この典故の文義を拡張できる
    ― 音楽用語の注記:5声は宮・商・角・徵・羽の名がついた音程/INTERVAL名を指す(民謡メロディが依ってめぐるペンタトニックスケール:I・長II・長III・完全V・増VI度の各名に対応 スケール/SCALEは音階(音程の階段)のこと) 12律は歌を和諧させるための調律音の組み合わせをさし、笛サイズをきまり(律)とした基本12ピッチ(=音高、6律6呂あわせて)に中国古代名がつきオクターブ表記法とあわせ用いていた

    「歌(・~ㄦ)」(%謌)GE1
    ・歌唱できる文辞(文詞とも)(新華1)/LYRICS(歌詞)(=曲2-1)
    ・音律発声する(新華2)/SING(歌う)・SONG(歌)(=唱1)
    ― 音律発声は12律の音符/NOTEをもちいて歌唱すること 「音律」は12律や平均律でピッチが定義された周波数軸での音のきまり(律)であり「楽律」とも同義*3
    ― 『OALD』を参照して「歌」の語義に文辞が音律発声される現象としての「SONG」を追加した

    「曲(・~子・~ㄦ)」QU1・QU3(新華2-3のみ異音字になる)
    ・歌唱できる文辞(新華2-1) /LYRICS
    ・歌の楽調(新華2-2) /MELODY OF SINGING(歌唱のメロディ)
    ― 解釈:「楽調」とは楽器音高にあわせた楽曲の調子(=腔2)をさし「曲調」とともにメロディと同義とみなす 「楽調」は歌曲・楽曲・戯曲などの音楽的な全体雰囲気とも解釈できるが、常用の用例*3から楽譜にできるメロディ自身をさすとした 下の「旋律」・「調」条も参照
    ・元曲(新華2-3) /POETRY IN YUAN DYNASTY STYLE

    「謡」YAO2
    ・無伴奏で韻文を随口唱出する(新華1) /A CAPPELLA SINGING(アカペラ歌唱)
    ― 用例:童謡、民謡
    ― 解釈:随口唱出はここの用例・典故から歌唱と同義とみなす
    ― 典故:『詩経(毛伝)』(C.~BCE2ND)「曲合楽曰歌、徒歌曰謡」
    ― 典故の解釈:徒歌とは「曲合楽」に対する無伴奏の歌唱をさす

    「咏」(%詠)YONG3
    ・声調を抑揚して念ずる、または歌唱する(新華1)/PERFORM INTONED RECITATION, OR SINGING
    ― 「声調」は言語学上の「トーン」・「イントネーション」と同義 下の「声調」・「語調」条を参照
    ― 咏と誦にはそれぞれ声調と腔調をあてる辞書上のつかいわけがある 下の「誦」・「腔調」条との比較必要
    ・詩詞を叙述する(新華2)/COMPOSE(制作する)
    ― 「叙述」は随口述説(口述)と書記表出(記述)とをあわせてさす*3
    ― 用例:詩を咏ずる、咏歌

    「唱」CHANG4
    ・音律発声する(新華1) /SING・SONG
    ― 音楽としての歌唱をさす 「歌」条を参照
    ― 第1声で大きく歌唱・朗誦してからの複数他者による「後続歌唱・復誦」を日中とも唱和というが、単に「(抑揚をつけて)話す」との義での唱は新華字典には載らない
    ― 日本では「複数同時朗誦」をもさしうる唱和は、中国では複数同時歌唱(合唱・斉唱)と、複数で詩歌をよみあうことと、上の後続歌唱・復誦との語義になるようだ*3

    「誦」SONG4
    ・腔調を抑揚して念じる(新華1)/PERFORM ACCENTED RECITATION
    ― 腔調と語調とは新華字典上は同義のあつかい 下の「腔」・「語調」条を参照
    ・記憶読出する(新華2)/SPEAK FROM MEMORY
    ・述説する(新華3)/SPEAK

    「念」(%唸)NIAN4
    ・誦読する(新華3) /RECITE (READ & SPEAK)
    ― (聴衆にむけ)文面を読みあげることをさす
    ― 用例:詩・文を聴者にむけ念じる、教師が例文を念じ生徒が復誦する、節を聴衆にむけ唸(うな)る
    ― 考察:用例から、実際の文面読みあげ行為に限定されず、引用・詩文・訓辞など文辞の聴者にむけた無文面口述(暗誦)は念といえる 対して、一般会話の発話は念といえない

    「腔(・~ㄦ)」QIANG1
    ・発話の語調、楽曲の調子(新華2)
    ― 解釈:動物の体空をあらわす腔が、引伸義でイントネーション、ストレスパタン、トーン、なまりなど語調、ひろく発声音のリズム要素やその他の言語音的雰囲気、また歌唱のメロディをさす

    「賦」FU4
    ・古典文学での文体の1(新華2)
    ・念詩するまたは作詩する(新華3)/RECITE OR COMPOSE POETRY
    ― 用例:詩を賦す

    「文」WEN2
    ・字(新華3)/LETTER
    ・字のならびによる意味のまとまった一篇(新華4)/WRITTEN SENTENCE(文面・書面)
    ― 典故:『経典釈文 – 尚書音義上』(C.~6TH_E)「書者文字、契者刻木」
    ― 典故の解釈:書は字をかきつける(文が動詞)、契は木を刻むとよみ、刻んだ木片の側面に字をかきつける行為が文の原義であるとする
    ― 考察:文は字の文様(パタン)をさす 中国語の「文」は、音声言語のまとまりを字の文様の配列で記録した書記結果/GRAPHS・SCRIPTSをさし、その言語自身であるSENTENCE(中国語で句*5)を直接ささないという日中での語義の違いがある 文様・文身のように、記された視覚パタンが中国語での「文」である
    ― 「語文」は一般に語言文字の略であり、話す言葉と書く文字の総合をしめす 言語/LANGUAGEをあらわすものは、対して「語言」となる

    「詞」CI2
    ・文中で自由に独立運用できる最小言語単位(新華1)/WORD(語)
    ― 詞は単純詞と合成詞・縮合詞からなる*6
    ・言語、とくに組織的な言語または文(新華2)/SCRIPT, ADDRESS(=辞4)
    ― 用例:歌詞・演講詞(講話への原稿文のこと)

    「辞」CI2
    ・言語、とくに組織的な言語または文(新華4)/SCRIPT, ADDRESS
    ― 用例:訓辞(教え諭し説明する文辞のこと)
    ・古典文学での体裁の1(辞賦とも)(新華5)

    「諺語」YAN4
    ・古来伝承の通俗話からの固定語句(新華1) /PROVERB(ことわざ)

    「節」JIE2
    ・音調の高低緩急でつくられる分節区切りであり、リズム(中国語で節奏・節拍など)を構成する(新華2-7) /SEGMENT(分節)
    ― 解釈:「音調」は、楽器音または音声におけるメロディ・イントネーション・トーン・ストレスパタン・維持区間の推移をさす 調子と表現されることがおおい 下の「調」条を参照
    ― 日本では、音の高低軽重緩急でつくられる分節と、その集合的な配列からなる楽曲・口述の全体と、についてまとめて「節(ふし)」とつかう

    「楽」YUE4
    ・音楽(新華2-1)/MUSIC

    4、用語補足説明
    以下、新華字典から引用した注解やその解釈にもちいた中国語関連用語(特に韻・律・調・声調・重音・語調・腔調)の不明瞭部分について、『OALD』・『現代漢語詞典』などを用いて補助的に説明する さらに追加的に、音声の物理的側面、音楽理論*7との接続を重視した解釈とそれを拡張した考察をつけた また「トーン」「ストレスパタン」「イントネーション」については、日本語関連用語の整理と再構成を検討するための試定義をまとめ、プロソディまわり(含「調」)のターミノロジ系統について、時間をかけてすっきりさせていきたいとかんがえている

    「同韻語」「韻文(短詩様式)」
    /RHYME 『OALD』参照
    ― 同韻語はRHYMING-WORDとも またライム/RHYMEを詩⽂内の部分(EG.行・句/LINE、スタンザ・連/STANZA)末へリズミカルに配置したものを脚韻・句尾押韻という また篇内部分末にないリズミカルなライム分配には、頭韻や同韻修飾(EG.平仄つき母音による畳韻、子音による双声)の例がある 同韻語の使用は下の「韻律」の1要素である

    「節奏・節拍・韻律・律動・節律」
    /RHYTHM 『OALD』参照
    ― 様々な言語要素がつくりだすタイミングや強弱の推移が躍動的・拍動的であること またそれらがリズム/RHYTHMのある分節配列をつくりだすこと 時間軸における音のきまり/FORMAT&REGULATION(格式と規則、=律)・パタン/PATTERN(~模様・定型・繰り返し等をさす)や、その他ひろく言語要素の配列規則性をさす

    「韻律」
    /PROSODY PROSODYは詩文における言語音とリズムのパタンおよびこれらについての学術分野をさす また、音声学上のPROSODYは個別発話言語音/INDIVIDUAL SPEECH SOUNDに対立した言語要素部分としてのストレスパタンとイントネーションとをさす ここまで『OALD』参照
    ― 「言語学上の韻律」は、一般に『OALD』の後者語義とはことなり、言語要素としての「個別言語音」も不可分に考慮した総合的な音声言語のリズム構成と、また広く言語要素の文内配列構成パタンによるリズム形成と、を対象にしている*8
    ― PROSODY/プロソディ論は、西洋詩学上ではライム論と分けてあつかわれるため日本語でのプロソディもライム要素を直接にはふくまないとする したがってここでまとめる内容をかんがえると、『OALD』の対訳とはことなり「韻律」を直接にはPROSODY・プロソディの対訳とせず、議論において韻律のさす広義狭義の範囲を都度確認することが必要となる(中国語の「韻律」は下のとおりPROSODY(含METER)・RHYMEの全体にかかるFORMAT&REGULATIONをさし日本語の「韻律」は通用的にこれを借用しているとみる)
    ― 「西洋詩学上・文芸論上の韻律*9」は詩学 – プロソディ論におけるプロソディ*10をさし、ライム要素をふくまず、特に文中の歩格/METERの構造における言語音的なリズム要素を考究対象とする 西洋詩が対象であれば、リズム構成をつくりだす行内詩脚/FOOT数・注目分節内のストレスパタンの類型と効果の相異/VARIATIONに関する考察を特にさす
    ― 「漢詩学上の韻律」は、(1)詩歌のリズム構成をつくりだす格式(字数・歩数と連構成・句法の類型であり歩格とスタンザの類型論に略対応)、(2)ライム(脚韻法など押韻の規則)、(3)平仄配列と対仗(中国近体詩における句中・句間の平仄配列規則と文法構成をそろえた対句法による首内リズム構成でありこの部分が「詩学 – プロソディ論におけるプロソディ」の意味範囲に略対応)、の3要素についてのきまり(律)をさす(中国近体詩の規則全体である「格律」のうちの1部分が「韻律」である) この様に西洋詩学上の韻律と漢詩学上の韻律では韻律部分の通用語義の範囲がことなっているため、前者は積極的にプロソディと言いかえたほうがいい

    「旋律」
    /MELODY 『OALD』参照
    ― 旋はとどまらずめぐること 十二律をめぐって進行する音符の高低推移がメロディ/MELODYをさす「旋律」である 『辞海』では「曲調」とも同義で使われるとある
    ― メロディをさしうる旋律・調子(音調とも)・曲調それぞれのニュアンスは各辞書にてあいまいで、たとえば芸術的メロディ・素朴なメロディおよびその雰囲気・楽曲全体の雰囲気とにそれぞれ対応させているようだ

    「調」
    /ADJUST・ADAPT 『OALD』参照
    ― 調(・~子)は周波数軸・時間軸ともに変化の微調適合/FINE ADJUSTMENT FOR FITTINGをさしている(EG.調子はずれ、調子をそろえる、歩調をあわせる) また引伸義として、区間全体の雰囲気・態度・気分をさす(EG.六段の調べ、口調、哀調、体調)
    ― 関連して、調律は楽器のピッチを正しく調整しておくチューニングのこと また調性/KEY(=TONALITY)は曲篇/PIECEがスケール内の音符により特定の雰囲気をもつこと これらは、スケールからうまれる主音/TONICや和音/CHORD群などの音楽要素から長調/MAJOR MODE KEY・短調/MINOR MODE KEYなどの全体雰囲気をもった調性がうまれるとの理論による
    ― 音声言語音から「調」をのぞいた言語要素部分が「声韻(声母と韻母の組)」であるとの記法簡便化上の特例(言語音が声・韻・調からなり互いに独立とみなす1次近似のこと)をみとめれば「声韻」は上の『OALD』所載の「個別言語音」に対応する しかし実際の考察ではこのような独立要素と扱えない場合がおおい
    ― 中国語での声調・腔調・語調・句調・口調は、発話文中の対象分節の長さによらずそれぞれを適用でき、各ニュアンスは用例によりあいまいである たとえば声調は声門によるメロディアス(旋律的に認知される)な言語音の推移特徴をさし、腔調は横隔膜によるリズミカル(韻律的)な言語音の偏差特徴をさし、語調(=句調・口調とみなす)は全体雰囲気(EG.陳述・祈使・感嘆・疑問・反問など文義弁別、文修飾としてあたえる雰囲気、その他に発話時の態度表示・情動修飾・なまりなど)とその流れをさすとおよそ使いわけているようだ
    ― 新華字典でつかわれる「音調」は『OALD』には直接のっていないが「調子」と同義として通用している語であり、音高(ピッチ)・声調・腔調・語調・その他発話リズム構成要素と、音楽メロディとの、すべてまたは部分を都度さしうる

    「声調」
    /TONE (IN PHONETICS) 『OALD』参照
    ― 中国語の「声調」の英訳は『OALD』所載語に限られない たとえば欧米言語学入門書にあるSTRESS PATTERN、INTONATIONの義としても中国語では「声調」としての使用が常見される
    ― TONEは「語気」が原義にちかい*11 トーン/TONE・トーンパタン/WORD LEVEL TONE CONTOUR・トーンパタン分類/~ASSIGNMENTのすべてをトーン/TONEとまとめるのが学史的には一般的である
    ― 語のうち単純詞の対立語彙弁別要素につかわれる「トーン」は、一般語としては態度・音色・中間調などをさすが、音声学・言語学上トーン(*12-14)として、発話文の単純詞内ピッチ推移/PITCH TRANSITIONに対する、数段階程度解像度での曲線的心理指標、および語彙弁別のための分類割り当てとしてしばしば定義されている ここで「語」は簡単に語彙をなす分節であって、かつ、中国語文法*15にあてはめるなら単純詞(原則1形態素の構成による語)と合成詞・縮合詞とからなるものとした
    ― また、文における単純詞より大構造の分節文に対して付加的に係るトーン・ストレスパタン類似の現象(EG.対立文義弁別要素(グローバルトーン・グローバルストレスパタンとみなせる、これらはここでの試定義に従うとイントネーションで代表でき調子と対訳できることになる)、ピッチ・強度・維持区間の付加的な抑揚による文全体の雰囲気変調)は、注目分節でのイントネーションに属させることが一般的である
    ― 学術的にトーン言語でないと分類される言語については、トーン機能がなくストレスパタンとイントネーションのみで言語リズムの議論ができると扱っている(このときストレスパタンはやはりピッチ推移にもつよく依存している) この意味でトーンとストレスパタンは同一分節内にて重複できるものとみなしてもよい
    ― トーン言語たとえば中国語の詩歌においても、詩学的には歩格/METERが西洋史同様に定義され詩脚を数えられる(*16-17)ことからも、トーンとストレスパタンは共存できる(別視点からの独立な抽出言語要素である)とみなしてもよい
    ― 物理指標であるピッチ推移は心理指標であるトーンにおもに対応し、物理指標である音波強度推移は心理指標であるストレスパタンにおもに対応する、と1次近似的にあつかわれることが多いが、分析すれば、ピッチ・スペクトラム構造・音声音波の強度(音圧パワ値)/INTENSITY・調音による個別言語音・維持区間の各々の推移を総合したものに対する、心理指標としての高低軽重緩急についての様々な要素のうちの2つであり個々人の認知のクセにおおきく依存しているが、共通言語としての約束におよそしたがって運用されているものであるとわかる
    ― このように、発話文中のピッチ推移のみから、対立語彙弁別要素としての単純詞内トーンパタン分類を正しく機械推測することは、時系列ピッチ周波数値とトーンとの1対1対応がとれない場合が多く、一般に困難な課題である(*18-20) 同じく心理指標であるストレスパタンの分析も「重みづけ」に対する認知の定義と心理学的測定について困難な課題であり、発話文中の音波強度推移のみでは議論ができない
    ― ここでのトーン・ストレスパタンの試定義の第1として、「言語学上トーンは、語のうち単純詞を表す分節において「語気による語彙弁別につかわれる言語要素」として抽出される時間的パタンをさす」とした 特にトーンは、発話文中の単純詞より大きい構造によっても互いにそれら分節内の言語要素を変調・規則対応しあいうる また、「言語学上ストレスパタンは、語のうち単純詞を表す分節において語義修飾・強調・リズム構成などの重みづけによって「リズムを構成する言語要素」として抽出される時間的パタンをさす」とした 単純詞をさす微視的な分節がトーンやストレスパタンを重複的に含むことができ、このような分節の時間的配列がストレスパタンの延長配列からつくられるリズム要素、たとえば詩脚(リズム分節)やイントネーション(注目分節における雰囲気推移)を構成すると考えることができる つまり詩脚はストレスパタンにより形成される分節であり、イントネーションは比較的おおきな注目分節におけるストレスパタンそのものまたはその雰囲気推移となる

    「語調」
    /INTONATION 『OALD』参照
    ― 上と同じく、中国語としての「語調」の英語訳は『OALD』所載語に限られない たとえばTONE・STRESS PATTERNも語調の対訳である
    ― ここでの言語学上イントネーション/INTONATIONの試定義は、上のストレスパタンの試定義からみちびかれるものとした
    ― 別の第2の試定義系統として、学史や通用語との接続がわるいが、ピッチ・強度・維持区間などの物理指標を変調して「語気」をあらわす言語要素は「分節の長短によらず」すべてをイントネーション(語気分配、その要素である語気)とみなし、一部言語において単純詞を表す分節部分にかかっているイントネーションから抽出できる語義弁別機能としての言語要素部分を特にトーン(語気による語彙弁別機能)と称することを選びうる このとき、様々な水準の分節部分にかかっているイントネーションから抽出できるリズム形成機能としての言語要素部分を、上のトーンと重複できる部分としてストレスパタン(重音パタン)と称することになる 以後、この第2の試定義を個人的な当面の学術語義に採用して運用是非をたしかめていきたい

    「口音・腔調」
    /ACCENT『OALD』参照
    ― 上と同じく、中国語の腔調の英語訳は『OALD』所載語に限られない たとえばSTRESS PATTERN・INTONATIONも腔調の対訳になりうる
    ― ACCENTは『OALD』にて語義項順に、1地域的階級的な音声なまり(EG.京腔は北京話腔調つまり北京なまり)、2強調部分/EMPHASIS、3ストレスパタン、4ダイアクリティカルマーク、をさす
    ― 日本語における「アクセント」は、英語ACCENTから発生して語義としても同義とみなすことができ、派生した「日本語学上アクセント」に関連した考察(*10,14,21-23)にて、さまざまにその特性がしらべられてきた トーン・イントネーション・ストレスパタンの試定義などここでの考究を発展させ、日本語学上アクセントとして把握されてきた様々な現象やその他の言語要素についても、新たなパースペクティブでのパラメータ解析や系統的把握・書記符号化・訓詁・祖型再構などにつながることを期待する

    5、コメント
    80年代後半の第2次AIブームのころ、名大板倉研(音声工学)では博士後期課程の李さんがニューラルネットで中国語の声調認識をやっていて、筆者はそのコードをもらい「主ピッチ抽出とピッチ有無判断(スペクトログラム実部入力)」に学部生としてとりくんだ経緯がある 未解決の積み残し課題として、主ピッチ推移の形成処理と、インテンシティ推移(含デュレーション情報)の形成処理と、四声弁別の前処理としての内的なトーン推移形成処理と、そのトーン推移を短語や文脈の中でどう分節してそれを四声にアサインするかの内的な弁別処理と、これらの処理をどのように機械で模擬実現していくかとについて、言語リズムなどを誘発する内的な音響ストレスパタン形成処理の解明・模擬もあわせて、あらためてみなおしたい

    参照
    1中国社会科学院『新华字典(双色本)』(12ED、商务印书馆2020)
    2商務印書館&英オクスフォード大『OXFORD ADVANCED LEARNER’S ENGLISH-CHINESE DICTIONARY』(7ED-3RD、2009)
    3中国社会科学院『现代汉语词典』(7ED、商务印书馆2016)
    4荻野『「詩言志」論の研究』(早大博論2011、リンク内にPDF2MB: https://ci.nii.ac.jp/naid/500000558846
    5中华人民共和国国家标准『标点符号用法 GB/T 15834-1995』(政府外発1995)
    6『实用现代汉语语法(増订本)』(商务印书馆2001)
    7Kostka, S. et al.. Tonal Harmony. 5th ed., McGrawHill, 2004.
    8吉田他『音楽リズムと音声リズムの共通性についての基礎検討』(名古屋文理大学紀要2012、リンク内にPDF1MB: https://www.jstage.jst.go.jp/article/nbukiyou/12/0/12_KJ00008385999/_article/-char/ja
    9高山『音節構造と字余り論』(九大国文学会2003)
    10Turco, L.. The book of forms ― A handbook of poetics. Third ed., univ. press of New England, 2000.
    11McCawley,D.L.『The concept of tone: definition and classification』(UIllinoi Thesis, 1972)
    12Akmajian, A.(アリゾナ大)他『Linguistics』(5 ed., MIT Press. 2001)
    13McCawley,J.D.『What is a tone language?』(Academic Press1978)
    14Hyman『How (not) to do phonological typology: the case of pitch-accent』(Language Sciences2009)
    15輿水P(東京外大)『中国語の語法の話』(光生館1985)
    16Fuller, M.A.. An introduction to literary Chinese. revised ed., Harvard U. Asia center, 2004.
    17吴丈蜀『读诗常识』(上海古籍出版社1981)
    18荘『標準中国語の単音節語の四声の音響的特徴』(音響学会1975、リンク先にPDF2MBあり: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/31/6/31_KJ00001454105/_article/-char/ja/
    19梶茂樹『世界の声調言語・アクセント言語』(音声言語2001、リンク先にPDF3MBあり: https://www.jstage.jst.go.jp/article/onseikenkyu/5/1/5_KJ00007631047/_article/-char/ja/
    20Michaud, D.. Tonegenesis. Linguistics, 2020. (ACCESSED 2023-09-22: https://oxfordre.com/linguistics/display/10.1093/acrefore/9780199384655.001.0001/acrefore-9780199384655-e-748, PDF2MB AT: https://shs.hal.science/halshs-02519305)
    21McCawley,J.D.『The accentual system of standard Japanese』(MIT Thesis, 1965)
    22木部暢子P(鹿児大)『日本語学大辞典 – 「アクセント」条』(東京堂2018、P7-11)
    23深澤俊昭『日本語のアクセント観―その抽象度―』 (神奈川大語学研究1981)

    (変更 2024-04-10)

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  • 北鎌倉浄智寺の布袋尊

    鶴岡八幡宮から切通をぬけ北鎌倉駅てまえで寺に入るときりたつ丘ふもとの洞のなかに布袋尊立像(近代の石彫か)が安置してある 表情と指さしからなにかを指摘されているようで、みる人によってはめっちゃ緊張するはず すぐうしろには中国女性風の石彫もある あわせてなにか制作配置の意図があるのだろう 暴露されたうしろめたい心をうらから女神(弁天?)が容認してくれてるとか また案内にはなにも書いてなかったけど布袋のお腹をさする習俗がありこちらにもなにかの集団ご利益がのぞめそう 洞手前のお地蔵さん三角コーンもこういう業務用金型があるんだろう いずれ気になる部分の出処などを要調査

    参照
    鎌倉タイムズ『〈巡礼〉鎌倉七福神めぐり』(ウエブ記事、参照 2023-07-13、https://kamakura-guide.jp/root-guide/rootguide-016
    (変更 2023-07-14)

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  • DIAMONDS & RUST

    『DIAMONDS & RUST』ってNYのホテルで窓(バルコニー)からみてた雪が、ダイヤモンドダストのようでもあり錆びた鉄の粉のようでもあったことをさしているのかもしれない(あまねく粉の歌)

    バエズがディランの髪にふりかかる雪をダイヤモンドダストとたとえたらディランにはたたき調音/TAPPING(俗語「ぱーりー」の「り」近似音への調音[ɾ]など)にきこえてダイヤモンドラストかあと考え「(どこからかでた)サビの粉/POWDERED RUSTだろうな」とこたえたなど

    『Joan Baez – Diamonds and Rust (Live From “Renaldo and Clara”) [Rolling Thunder Revue – 1975]』(YOUTUBE2’08”、参照 2023-07-06、https://youtu.be/KCRTWXEwSOU

    『Judas Priest [HD] Diamonds and Rust 1983』(YOUTUBE3’32”、参照 2023-07-06、https://youtu.be/L7_vGoTUYYA

    和訳いいのある:
    MAKO’S BLOG『DIAMONDS AND RUST 訳』(ブログ記事2021、参照 2023-07-06、https://makoomori.hatenablog.com/entry/2021/01/22/200905

    (変更 2023-10-18)

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  • BOB DYLAN – TOMORROW IS A LONG TIME/あすははてなく

    BOB DYLAN – TOMORROW IS A LONG TIME (TCR: 0H54’26”-) @TOWN HALL CONCERT (NY1963, YOUTUBE2H02’23”, ACCESSED 2023-06-21: https://youtu.be/Owkq54mPP5I?t=3266)

    訳詞
    1:
    クネクネまよってなかったら
    よるにはしっかりたてるなら
    あすがはてなくなかったら
    さみしさばっかりおもわないだろう

    *CHORUS
    あああのひとがまってたら
    やさしい鼓動をきけるなら
    となりにねていてくれるなら
    もいちどここでよこになりたい

    2:
    みなもになにもうつらない
    ことばといたみがはなれない
    自分のあしおときこえない
    自分のなまえのひびきわすれた

    *CHORUS

    3:
    ひかりのうたうかわはうつくしい
    あさひののぼるそらはうつくしい
    なんといってもうつくしいのは
    あのひとのみめのかがやきほかにない

    *CHORUS X2


    If today was not a crooked highway
    If tonight I could finally stand tall
    If tomorrow wasn’t such a long time
    Then lonesome would mean nothing to me at all

    Yes, and only if my own true love was waiting
    Yes, and if I could hear her heart a-softly poundin’
    Only if she was lying by me
    Then I’d lie in my bed once again

    I can’t see my reflection in the waters
    I can’t speak the sounds that show no pain
    I can’t hear the echo of my footsteps
    I can’t remember the sound of my own name

    Yes, and only if my own true love was waiting
    Yes, if I could hear her heart a-softly poundin’
    Only if she was lying by me
    Then I’d lie in my bed once again

    There’s beauty in the silver singin’ river
    There’s beauty in the sunrise in the sky
    But none of these and nothing else can mach the beauty
    That I remember in my true love’s eyes

    Yes, and only if my own true love was waiting
    If I could only hear her heart a-softly poundin’
    Only if she was lying by me
    Then I’d lie in my bed once again

    Yes, and only if my own true love was waiting
    If I could only hear her heart a-softly poundin’
    Yes, and only if she was lying by me
    And I’d lie in my bed once again

    Songwriters: Bob Dylan. For non-commercial use only.

    カバー:
    ・『Joan Baez- Tomorrow is a Long Time』(YOUTUBE03’14”, ACCESSED 2023-07-08: https://youtu.be/IoG9pso9bRc
    ・ELVIS PRESLEY『Tomorrow Is A Long Time』(YOUTUBE03’14”, ACCESSED 2023-07-08: https://youtu.be/0VLpgttfEM0

    (CHANGED 2023-07-08)

    © Buzz Andersen “On the Chelsea Balcony”

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  • 詩経の読解方針

    初学者として13経読解にアプローチするので、いくつか方針をたてて実行動を始めてみる

    方針:
    ・まずは中国古典詩歌『詩経』 を素直に理解し鑑賞することから検討してみる
    ・日本古書(古書≜古代文献とした、古書э古代書э古典書の従属関係)をよむ基盤知識の修得を目的として、文選・白居易・史記・漢書などの中国古書をえらび、内容にふれておく
    ・文言文(中国古代書面語文)を音読法(訓読法での誦読によらない現在中国普通話言語音読みによる黙読・誦読、または日本漢字音直接法での黙読)で読み、また語句・詩文解釈・言語音の参照にはなるべく中国語の資料をつかう
    ・詩歌の現在中国語での誦読をとおして、「詩経」当時の伴奏つき歌唱・合唱または伴奏なしの徒詩朗誦ではどのような詩歌観・行事効果をだしていたかを直観にでも想像する
    ・『詩経』 での祭祀・宮廷歌謡(頌・雅)や民謡様式の貴族歌謡(国風)について、1400年後の日本祖古代歌謡(記紀・風土記・万葉集への口伝など)と、さらに1400年後の現在伝承文化と、を流伝としてまとめてつかむ
    ・『詩経』 にとりくむタイミングをつかむ(準備・助走にはどの程度の水準をもっておきたいかを自己の例で判断)

    実行動:
    1、準備
    (1)あたらしめの「詩経」まわり学術入門解説書をつかい興味をふかめる:
    ・小南一郎EP(京大)『『詩経』 ― 歌の原始』(「書物誕生 あたらしい古典入門」シリーズ、岩波2012)

    (2)現在中国語の読解と発音をある程度マスターして中国語音韻学修得と原文誦読にそなえる:
    ・「中国語の読解入門」(ウエブ記事、https://t4h2.com/2022/12/28/4654/)など

    (3)考究テーマ設定への前準備
    ・古勝隆⼀(京⼤)『⽇本の若い漢学徒は何をなすべきか』(ウエブ記事2011、参照
    2023-06-16、https://xuetui.wordpress.com/2011/03/22/⽇本の若い漢学徒は何をなすべきか/
    ― 専門家がおす中国古典書への研究アプローチをよみ、自己の考究テーマ設定に漸次つなげていく

    (4)中国古書の読解を初学者むけ教科書をつかって修得していく:
    ・齐佩珞『国学入门丛书 训诂学概论』(中華書局2004) ― 1940Sからよまれている訓詁学の入門書 基礎の基礎からしっかり修得できるように書いてある
    ・王力『古代漢語 校訂重本』(中华书局2018) ― 古語語彙を中心に古典書の読解を修得(上古音時期(『切韻』成書より前とした)における現在と違う語義をおさえる)
    ・Fuller, M.A.. An introduction to literary Chinese. revised ed., Harvard U. Asia center, 2004. ― 中国古典書読解に役立てるため背景と古文法を最短概説した入門書(2024年3月に新版がでる)

    (5)中国語音韻学(~文言文誦読についての歴史的地域的言語音系統学)/HISTORICAL & DIALECTAL PHONOLOGY FOR LITERARY CHINESEの予備学習には、初学者むけ教科書(*1-5)も援用しながら、わかりやすい「富山大学での中国語中古音講義の配布資料」をつかう:
    ・中村雅之『中古音のはなし ― 概説と論考』(古代文字資料館出版物2007) ― この第1章が当該の配布資料を改訂し出版したもので、旧稿(刊行時改訂はわずか)が「1998年配布資料」として「古代文字資料館」サイト内に公開されている(参照 2023-06-26、http://kodaimoji.her.jp/内に『音韻学入門 ― 中古音篇 ― 』(PDF700KB))

    2、音声データ・ピンインの選択
    有聲書:中小學國文『[高]詩經讀解[完]』(男声、YOUTUBEリスト(305篇毎の朗誦音声データ)、参照 2023-06-30、https://www.youtube.com/playlist?list=PLd4Iwk1ZKUCCFK5QyY5uDfHxOq6fVhFdS) ― 声母にW(EG.文・王・忘)が音位すると(=Uの前が零声母だと)唇歯調音[v]に揺れるクセ(北京話の1相異とのこと)と而の発音が気になるが、およそ現在中国語の言語音(ここでのリファレンスは学習中の『汉语听力速成シリーズ』(2版、北京語言大学出版~2011))に合う
    ・汉程国学『诗经_作者佚名_诗经全文带拼音、译文、赏析』(ウエブ資料、参照 2023-06-18、https://guoxue.httpcn.com/book/shijing/) ― こどもむけ国学教科書にも全篇ピンインつきの『詩経』テキストがみつかる(たとえば『诗经』「中国传统文化经典儿童读本」シリーズ、云南大学出版社2004)

    3、詩経読解へのプロセス
    (1)おもに使う教科書・辞書の例:
    ・王秀梅『诗教』(「中华经典名着全本全注全译丛书」シリーズ、中华书局2015) ― メインの読解テキスト この「三全」シリーズは注解が淡白だが全訳がよみやすく、余白へのメモ書きにもつかいやすい
    ・吳澤炎他編『辞源』(修訂版全4冊、商業出版社1979-1983) ― 中国古語の語義・典故を中国語でひく辞書 日本現在語なら日国精選版の規模 日中の訓釈書にある語義説明よりも原文鑑賞について直観的に把握・納得しやすいことも多い(ただし正当な理解には、いずれ注疏書などの学史を参照しないと解像度があがらない)
    ・『説文解字注 附索引』(芸文印書館1980など) ― 見出し字の用例群について原義や引伸義、および当代字義の通用理由との総合関係を、清代の段玉裁がときあかしたもの 漢字への理解が深まる 詞語・詩文の解釈は、これら常見の古書訓釈、基本語義、用例、字注解にあたって自分で構築していくことがおもしろくなってくる

    (2)詩経内をよむ順番:
    『毛詩』内で、周頌→魯頌→商頌→小雅→大雅→国風とおよその制作年代順でよみすすめる

    (3)その他の実施内容:
    ・『毛詩 – 周頌 – 清廟』から順番に、ピンインをつかって詩歌を現在中国語で音読(黙読・誦読)しながら読解していく 難読字・語をえらんで、『新華字典』・『辞源』・『説文注』、必要なら『十三経注疏』やその他関連書を参照しながら、字・詞語(語+詞組)まわりの資料内容を自由にしらべる
    ・現在中国語での朗誦ききとりとピンインをみながらの復誦をくりかえし、文言文と現在言語音と詩義とがまとまって把握できるようになるまで応答と鑑賞をふかめる
    ・日本古典文学との接続・関連についてなんらかの考究テーマをみつける また現在日本でのさまざまな伝承文化との関連に対しても同様

    (4)詩経への取組タイミングの見極め
    ・王力の古代漢語入門教科書を読む前段階で、現在中国語の読解・語彙・文法・発音を知っておかないと、言語の比較ができない(先に古代語を覚えたくない)との課題がある 言語音の修得についても比較できる現在音を知っていることが必須 この意味で、詩経は十分に中国語の学習に時間をかけてから読み始めないとダメ、古い順によむのはあきらめる、との現状判断になった
    ・詩経は詩義が素朴で基本的だが、ある程度中国古代歴史・呪祷文化をおさえておけばさらにおもしろくよめる 中国史は●貝塚他『世界の歴史3 中国のあけぼの』(河出文庫1989)、●富谷他『概説中国史 上、下』(昭和堂2016)、●貝塚他『中国の歴史1原始から春秋戦国 』(講談社1974)、●小澤他『世界の考古学7 – 中国の考古学』(同成社1999)あたりから入るとよさそう 呪祷(含王朝祭祀・礼楽)の学術的知識は●山田統『中国文化叢書6 宗教 – 占卜と祭祀』(大修館1967)、●『岩波講座東洋思想 – 中国宗教思想1、2』(岩波1990)、また『礼記』訓釈書からしらべていくなど工夫してみる
    ・中国詩歌は唐詩からはいったほうが副読・関連資料の充実度からみても効果的だろう 概して児童教育課程の順序で修得・鑑賞するのがいいとわかった またおとなむけの漢詩からはいるなら蘅塘退士編『唐詩三百首』がしぶくてよい 原出所不明(北京大学BBSに改変文転載あり)の『北京大学中文系课程教材及参考书目(整理版本).doc』(本サイト内にPDF直接リンク、1MB)という文書にも、中国古代文学 – 作品の項にて唐詩三百首を熟読するのが唐詩への第一歩と意見がついている

    参照
    1李思敬(慶谷寿信・佐藤進訳注)『音韻のはなし』(光生館1987、訳注がくわしく定評がある、初版正誤表、大学図書館でみつかる、原著はコンパクト書の『音韵』「汉语知识丛书」シリーズ、商务印书馆1985(重印版2001))
    2陈复华『汉语音韵学基础』(中国人民出版社1983)
    3藤堂明保他編『音注韻鏡校本』(木耳社1971、初版正誤表
    4Branner, D.P.. Literary Information in China: A History – RIME TABLE, ColumbiaU Press, 2021, p. 65-77. Download link at a website (PDF3MB): https://www.researchgate.net/publication/369280074_Rime_Tables
    5平山久雄『中国文化叢書 1言語 – 中古漢語の音韻』(大修館1967、P112-166)

    (変更 2024-04-16)

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  • 三字経・百家姓・千字文の学習法

    1、目的
    こどもむけの中国古書「三百千」、すなわち『三字経』(三言詩様式の道徳訓話)・『百家姓』(苗字にちなむ故事をもちいた韻文)・『千字文』(1000字を1回ずつつかった四言詩様式の逸話詩歌)を、初学者むけ中国語学習に利用するための資料をまとめておく ここでは訓読法や翻訳の日本語にたよらずに三字経・百家姓・千字文の文義・文様式/STYLISTICSの要所にふれることを基本方針にする

    2、誦読音声データ・ピンイン
    ●文文姐姐誦読『三字经 (全文诵读版)』(女声、YOUTUBE15’23”、参照 2023-07-20、https://youtu.be/OVRfkxUxlag
    ― おおむね現在中国語の言語音リファレンス(ここでは学習中の『汉语听力速成シリーズ』(2版、北京語言大学出版~2011))に合う
    ― 「九十年国祚廢」がない、「清太祖…清祚終」→「廿二史全在茲載治乱知興衰」、声名→名声につくる
    ●無名氏『《百家姓》朗讀版 中文簡體字幕』(男声、YOUTUBE7’42”、参照 2024-01-11、https://youtu.be/VZW3w80gT_o
    ― 「蔚」ビデオではWEI4発音だが人名なのでYU4が正解
    Mandalin Hub『大字幕高清【千字文】全文朗读/国学经典必读』(男声、YOUTUBE10’27”、参照 2023-06-22、https://youtu.be/3Wt8q8K6uu0
    ― 殷(YIN1→商SHANG1)、白(BAI2→中古音寄りBE2[b̥ɤə2](陌韻))、笋(筠YUN2→SUN3)、賊(新華字典ZEI2→辞海にのる読音ZE2)につくる
    Mandalin Hub『国学启蒙经典《千字文》拼音版全文朗读』(女声、YOUTUBE11’12”、参照 2023-07-12、https://youtu.be/Tm8zDxTmybU
    ― 甘棠→召棠(SHAO4―、召公の甘棠の義 CF『詩経』)につくる

    热门搜索-文言文『三字经・千字文全文拼音版和注音版』(ウエブ資料、参照 2023-06-20、https://www.wenhz.com/wen_qianziwen/
    ― 幼児・少年むけ国学教科書などにも、ピンインつき三字経・百家姓・千字文テキストがみつかる(たとえば『三字经・百家姓・千字文・弟子规 通读本 挿图版』中华书局2019)
    ●『百家姓全文带拼音』(ウエブ資料、参照 2024-01-11、http://www.guoxuemeng.com/guoxue/12763.html

    3、実施内容
    3-1、参照する訓釈書・文書
    以下を参照しながら、ピンインをつかって『三字経』・『百家姓』・『千字文』を誦読・鑑賞する :
    ・『三字经・百家姓・千字文・弟子规・千家诗』(「中华经典名着全本全注全译丛书」シリーズ、2版、中华书局2022)
    ・古勝隆一P(京大)『千字を学ぶ』(ウエブ記事2008-2010、参照 2023-10-17、https://xuetui.hatenadiary.org/entry/20081218/1229567206

    3-2、学習法の変形
    以下かんがえてみた:
    (1)筆記にペン習字を組みあわせてみる
    字を書いて字形と字音(と字義)を覚えるなら、同時に隋代智永による『千字文』写本の成書目的*3を再現するつもりで乱れた字を矯正する たとえば、吴玉生『行楷常用字单字突破』(「华夏万卷」シリーズ、代表字は吴先生による万年筆での書法講義ビデオがQRコードでみられる、上海交通大学出版社2019)、趙佶『宋徽宗楷书千字文钢笔字帖・痩金体』(上海交通大学出版社2016)など、簡化字・繁体字の手本がそろった書道教科書で行楷書体(日常つかいのくずした楷書体)をみにつけながら、『三字経』・『百家姓』・『千字文』にとりくむ

    (2)ピンインよみながら歌をききながし
    声調があまり一致しないので語学初学者むけには欠点となるが、ピンインをつかいながら歌をききながす方法はとりかかりがいい:
    ・謝文希歌唱、庄典作曲『千字文 – 全文唱頌導讀版』(YOUTUBE11’23”、参照2023-06-27、https://youtu.be/N4MBO-4yV9U
    ― 2種アレンジを2まわしでつなぐ型式にて長丁場をのりきる 第2アレンジがWINKぽい 貞潔→貞烈(LIE4、ともに貞節の義)につくる
    ・文文姐姐歌唱『千字文 (全文唱诵版)』(YOUTUBE18’10”、参照2023-06-27、https://youtu.be/BLzhvG6WkUs
    ― うたにはいるとじわじわひきこまれる また手本にあわせてうたいやすい 9番まであり長い日の曲のように長い 「衣装」の~CHANG2→~SHANG5は辞書的にどちらの言語音でも正しいとのこと
    ・文文姐姐歌唱『百家姓 (全文唱诵版)』(YOUTUBE7’23”、参照 2024-01-11、https://youtu.be/f_WdKZN-SG0
    ― 同じく文文姐姐によるうた 作編曲がNHK風

    (3)『千字文』文選読みラップ
    だれか文選読みテキスト(*1-2)の日本語ラップ化に挑戦してほしい 脚韻つくりのため日本漢字音読みの漢字熟語と翻訳文を前後入れ替えたり、更に日本漢字音の熟語を中国語音によせたりする「文選読み亜種」を制作したほうがよいのかもしれない ライミングのきつい90Sラップ様式の曲とあわせてダンスもいれビデオにする もっと振ってライミングに忠実な米国バラッド民謡様式にするなど

    4、おまけ
    ・国宝『真草千字文』
    ― 隋代墨書が唐代に日本にはいった原資料 智永真蹟の墨書は1本のみ残と考えられ、近代の所蔵は某僧・江馬天江(詩人)・谷鐵臣(号如意)・小川為次郎(銀行家、号簡齋、大正1取得)・小川雅人と推移した
    ― この「谷氏本」(「小川本」とも)は、実物大のカラー影印書が各出版社からでている
    ― 智永真蹟の議論の経緯は、清雅堂の影印書付録*3や、邓宝剑『论日本小川氏所藏智永《真草千字文》墨迹为摹本』(ウエブ記事2019、参照 2023-06-20、https://www.sohu.com/a/311790551_120044706)などでよめる

    参照
    1松岡正剛『千字文』(「松岡正剛の千夜千冊」シリーズ、ウエブ記事2001、参照 2023-06-20、https://1000ya.isis.ne.jp/0357.html
    2小川環樹他『千字文』(岩波1984(文庫1997))
    3『智永真草千字文 谷氏本』(清雅堂1998)

    (変更 2024-01-28)

    懷素『小草千字文』(唐代、『千金帖』とも)

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  • 李白 – 黄鶴楼送孟浩然之広陵

    1、目的
    初学者学習のため漢詩の現在中国語朗誦音声と、あわせて誦読するためのピンインと、訓釈の例と、をメモにのこす(シリーズ目録:『漢詩の杜』https://t4h2.com/kanshi/

    2、朗誦音声データ
    学習中の『汉语听力速成. 入门篇』(2版、北京語言大学出版2011)の言語音と合うものを選んだ:
    Hong Zhang『8 黄鹤楼送孟浩然之广陵 | Seeing Meng Haoran off to Guangling at the Yellow Crane Tower』(女声、YOUTUBE0’52”、https://youtu.be/yzBfDgkOWJ4

    3、簡化字本文+ピンイン

    huánglóusòngmènghàoránzhī广guǎnglíng

    rén西huánglóu,烟 yānhuāsānyuèxiàyángzhōu

    fānyuǎnyǐngkōngjǐn,唯 wéijiànchángjiāngtiānliú
     

    4、訓釈例
    ・松浦友久P(早大)編『校注 唐詩解釈辞典』(再版、大修館1998、P1.641)
    ・前野直彬EP(東大)編『唐詩鑑賞辞典』(18版、東京堂1998、P90)
    ・武部利男P(立命大)『李白上』(中国詩人選集7、岩波1958、P1.124)
    ・钱志煕P(北京大)他『李白诗选(古代诗词典蔵本)』(商务印书馆2016、P163)
    (変更 2023-08-07)

    TRONみのつよい現在の黄鶴楼
  • 李白 – 贈汪倫

    1、目的
    初学者学習のため漢詩の現在中国語朗誦音声と、あわせて誦読するためのピンインと、訓釈の例と、をメモにのこす(シリーズ目録:『漢詩の杜』https://t4h2.com/kanshi/

    2、朗誦音声データ
    学習中の『汉语听力速成. 入门篇』(2版、北京語言大学出版2011)の言語音と合うものを選んだ:
    三江水『赠汪伦 李白』(女声、YOUTUBE0’32”、https://youtu.be/To1EBQeKIM8

    3、簡化字本文+ピンイン

    zèngwānglún

    báichéngzhōujiāngxíng , wénànshàngshēng 。

    táohuātánshuǐshēnqiānchǐ , wānglúnsòngqíng 。
     

    4、コメント
    「踏歌」とは大勢で手をつないで隊列をつくりリズムにあわせて足を踏んで歌をうたう歌謡型式で、ふるく晋代(C.3-5C)に「相与連臂 踏地為節 歌…」との歌謡儀礼を収穫祭にて奉納とある*1 日中それぞれで、祭祀・宮中行事・民間における歌謡つき舞踊として大小集団にてさまざまに分岐融合してきた民俗とのこと(*2-3) 民間歌舞としての踏歌の派生流伝の1に、歌垣における歌合戦とフォークダンスとの融合形態がこどもあそびになったものともみなせる「はないちもんめ」がある またNHK紅白歌合戦も、集団での手つなぎ足踏みは各種マスゲームに翻訳されまた季節設定もことなっているが、男女掛け合いの歌垣芸能を正月を迎えた夜(大晦日の日没後)に奉納する祭事にみたてて続けているのだろう 民謡歌合戦など歌合戦祖型の歴史をしらべたらおもしろそう 宮本常一「忘れられた日本人」にも歌合戦勝者総どりの民話が収録されている

    5、訓釈例
    ・松浦友久P(早大)編『校注 唐詩解釈辞典』(再版、大修館1998、P1.621)
    ・前野直彬EP(東大)編『唐詩鑑賞辞典』(18版、東京堂1998、P21)
    ・武部利男P(立命大)『李白上』(中国詩人選集7、岩波1958、P1.93)
    ・钱志煕P(北京大)他『李白诗选(古代诗词典蔵本)』(商务印书馆2016、P138)

    参照
    1趙維平『奈良、平安時代における中国音楽の受容と変容 ― 踏歌の場合』(日本研究2011、日文研リポジトリへのPDF2MB直接リンク:https://nichibun.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=490&item_no=1&attribute_id=18&file_no=2
    2土橋寛『古代歌謡と儀礼の研究』(岩波1965、P413-419)
    3工藤隆『歌垣と踏歌・燿歌・遊部の関係について』(アジア民族文化研究2016、リンク先にPDF27MB:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajiaminzokukenkyu/15/0/15_171/_article/-char/ja/

    (変更 2023-04-18)

    「舞蹈紋彩陶盆」(大通縣上孫家寨墓地出土、馬家窑文化類型、~5KYA)

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  • 李白 – 峨眉山月歌

    1、目的
    初学者学習のため漢詩の現在中国語朗誦音声と、あわせて誦読するためのピンインと、訓釈の例と、をメモにのこす(シリーズ目録:『漢詩の杜』https://t4h2.com/kanshi/

    2、朗誦音声データ
    学習中の『汉语听力速成. 入门篇』(2版、北京語言大学出版2011)の言語音と合うものを選んだ:
    三江水『峨眉山月歌 李白』(男声、YOUTUBE0’29”、https://youtu.be/66BdvXuOLUs

    3、簡化字本文+ピンイン

    éméishānyuè

    éméishānyuèbànlúnqiū , yǐngpíngqiāngjiāngshuǐliú 。

    qīngxiàngsānxiá , jūnjiànxiàzhōu 。
     

    4、訓釈例
    ・松浦友久P(早大)編『校注 唐詩解釈辞典』(再版、大修館1998、P1.624)
    ・前野直彬EP(東大)編『唐詩鑑賞辞典』(18版、東京堂1998、P28)
    ・武部利男P(立命大)『李白上』(中国詩人選集7、岩波1958、P1.212)
    ・钱志煕P(北京大)他『李白诗选(古代诗词典蔵本)』(商务印书馆2016、P113)
    (変更 2023-06-19)

    関西吟詩文化協会(http://www.kangin.or.jp/)公開資料より

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