外骨格の生物はボディ・プランを作りやすいはずです。なにしろ骨の形にあてはめて設計をすればいいわけですからね。その証拠に昆虫はすばらしく多様なデザインで地球上で最も多くの種類をつくりだしています。それはすごくよかったんですが、限界もあるんです。外側に骨のすべてを出したから、中は何もかもが押し込まれている。そのため、とくに頭部の入り口のところで食道と神経管が交差してしまいました。<br/>
そうするとどうなるかというと、どんどん食べると、すぐに食道が膨らんでしまい、目から体に通っている神経系を圧迫するから、これは昆虫学者の奥井一満さんの言い草ですが、毎回胸やけがするのです(笑)。ようするに昆虫というのはたくさん食べられない動物になってしまったんですね。外骨格にしたということによって、サバイバル・ゲームの最高のデザインをしたのに、一方では小食で、ともかく食べたらすぐ食道を圧迫して胸やけになる(笑)。だから、しょっちゅう食べて、少しづつ出していかなければいけないという動物になったのです。<br/>
しかし、この戦略は多様性という面では大成功をする。ですから地球のことを「虫の惑星」とよぶくらいです。 — 『情報の歴史を読む』 松岡正剛 (via <a href="http://do-nothing.tumblr.com/" target="_blank">do-nothing</a>) (via <a href="http://ultramarine.tumblr.com/" target="_blank">ultramarine</a>) (via <a href="http://uessai-text.tumblr.com/" target="_blank">uessai-text</a>) (via <a href="http://sytoh.tumblr.com/" target="_blank">sytoh</a>) (via <a href="http://scarecrowbone.tumblr.com/" target="_blank">scarecrowbone</a>) (via <a href="http://tigerbutter.tumblr.com/" target="_blank">tigerbutter</a>) (via <a href="http://tomotomolly.tumblr.com/" target="_blank">tomotomolly</a>) (via <a href="http://hirai.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">hirai</a>) (via <a href="http://otsune.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">otsune</a>)
<p>似たようなことをアーサー・ケストラーが「機械の中の幽霊」で書いてたな。ただケストラーは昆虫を「進化の袋小路」として描いてた。脳を発達させようとすると、脳を動かすのに必要な栄養を摂取できなくなるという状況。なので昆虫は高カロリーの流動食を摂取する方向に進化しやすい。具体的には蜜とか、あるいは吸血とか。</p>
<p>今の地球は「虫の惑星」と呼ぶにふさわしいと私も思うけど、地球の歴史を通じて全部がそうだったわけじゃないし、そうなった原因には外骨格以外の要因もある。古生代は昆虫が発達した。まだ地上に他にライバルがいなかったから。中生代は恐竜とかが我が物顔し始めるのでちょっと後退した。しかし本当に昆虫が凄いことになったのは新生代から。中生代末から出現した被子植物が虫媒花という最先端テクノロジーを採用し、昆虫との間に共生関係を作り出した。これが昆虫大躍進の最大の原因。新生代の地球は「被子植物と昆虫の惑星」だ。</p> (via <a href="http://raurublock.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">raurublock</a>) (via <a href="http://yuco.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">yuco</a>)