料理人はよく、自分が本当にうまいと思う物を提供しているのです、と言うがわりとそれは嘘である。嘘と言っては言い過ぎかもしれないが、それはあくまでそのお店に来る不特定多数のお客さんに嫌われない範囲でのベストを尽くしている、というくらいの意味で解釈すべきだろう。例えば結婚披露宴のフレンチなんてのはその最たる物だ。せっかくのそこそこの値段がするフルコースなのに、よほど特殊な場合を除きそれは美味しいかもしれないけれども単に美味しいだけだ。同じフレンチでも小規模なネオビストロのようなところだと、一部に嫌われても構わない、という姿勢のところは少なくないから、単なる美味しいを超えた美味しい物に出会える確率は多少なりとも上がる。前に食べログに関する記事のところでも書いたけど、たまにある極端な低評価レビューからそういう店の本当の魅力が垣間見える事は少なくない。あえて極端に言えば、本当の美味しい物は嫌われる事を恐れない姿勢からしか生まれないと私は思っている。
— <a href="http://inadashunsuke.blog.fc2.com/blog-entry-31.html" target="_blank">美味しすぎると嫌われる、という現象 - 食べるそして考える</a> (via <a href="http://drhaniwa.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">drhaniwa</a>)