Twitterのユニークネスはタイムラインにあり、それは日本においてはすでに2ちゃんねるで人々を熱狂させていたものだった。140文字の制約もたしかに特徴的ではあるけれど、それはメディアのリアルタイム性を担保するための副次的な要素に過ぎないと思う。ユーザーに長文を書かせてしまっては、即時性が失われる。140文字以内とすることで、ユーザーが思いつきをそのまま、思いついたときに発信するようになった。
フォルダに格納されて、ユーザーから読まれるのを待つというのが、これまでのインターネットメディアのかたちだった。メールマガジンもそうだし、ウェブサイトが生成するRSSも、リーダーのなかに格納される。「私待つわ」のメディアだった。
しかしTwitterは違う。待たないのだ。時間が来たら、コンテンツがさっさと通り過ぎていくメディアなのだ。100人でもフォローすれば、振り返る気力も起きないほど情報が流れていくようになる。
何度か脳神経系と遺伝子系というメタファーでメディアを分類してきたが、この情報がタイムラインで流れていく仕組みは、まさに脳神経系の特徴だ。シナプスの発火は、相手の状況など関係なしに起こり、刺激が強ければ連続発火していく。一方の遺伝子は、しっかりと格納されて次世代へと引き継がれていく。相手へ確実に手渡しする。相手があって成立するメディアだ。
Twitterがどうなるかは分からないけれど、遺伝子系のメディアから脳神経系のメディアへというパラダイムシフトは、しばらく続くだろうと見ている。このパラダイムシフトに、あのGoogleも乗り遅れた。Googleの検索結果はリアルタイムではない。世の中がどのように変容しているか、今この瞬間を捉えるようなメディアが、次世代を先導していくだろう。