<p>僕がITベンチャーの経営を始めた8年前、彼らは「大企業だけが人生じゃない。挑戦しよう。」というメッセージを若者だった僕たちに投げかけてくれていました。まだまだ彼らの会社は小さいものでしたが、それでもそうした前向きな姿勢に僕たちはキラキラと輝くものを見たのでした。</p>
<p>あれから幾年月。あの頃そうしたメッセージを投げかけていた若きリーダー達は、後輩たちが日本社会のために何とか頑張ろう、と挑戦している姿に対して、「逃げている」とダメだしの言葉を投げかけるようになってしまいました。</p>
<p>人間というのはそういうものだ、というのは何となく分かっているつもりですが、それでもあの頃を知る僕としては、ただただ、残念で、哀しい気持ちです。</p>
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僕は6年前にNPOを起業しました。その頃は社会起業家なんていう言葉も流通しておらず、ITベンチャー社長を辞めてフリーターになった僕は、単なる負け犬でした。銀行は「NPOってボランティアなんじゃないんですか?何でお金が必要なんですか?」とお金を貸してくれず、既存のNPO業界は「ITベンチャー=金の亡者」に社会問題の何が分かる、という態度で冷たいものでした。保育業界はこどもがいない時点で、怪しい業者扱いでした。公務員は「あなた本業何なの?」とNPOの経営で食べていこうとしている僕を、理解してくれませんでした。政治家は「何を陳情しに来たの?で、君はどのくらい票を持ってきてくれるバックがあるの?」という態度でした。女の子とご飯を食べに行っても、なかなか自分の職業を言うことはできずに「人材派遣みたいなもの」とごまかしていました。お金もなかったので、朝からスターバックスに入って、本日のコーヒーを頼み、閉店まで仕事していました。</p>
<p>あれから6年で、状況は全く変わりました。今はNPOの運営をしている人も、経営者として扱ってくれるようになりました。社会起業家という名前もつけてくれて、起業家扱いしてくれるお陰で、周りの人からも怪しく思われずに済んでいます。公務員の方々も、行政の仕事を委託するのは外郭団体だけじゃなく、NPOという選択肢もあるんだ、という気持ちになりつつあります。ちゃんと「経営」しているNPOだったら、それも良いよな、と。国会議員の方々も、現場と政策の両方を知る存在として、僕たちを遇してくれるようになりました。お陰で現場の矛盾を伝えやすくなり、法律改正等によって、問題は是正されて行きました。銀行も少しずつですが貸してくれるようになり、企業の助成メニューも増え、起業しやすくなりました。</p>
<p>こうした状況の変化は、現場で頑張っている社会的企業で働く皆さんが、少しずつ少しずつ実績を積み重ねていった結果でしょう。そして心ある海外ウォッチャーの方々が海外のソーシャルビジネスの動向をインターネットを通じて国内に知らしめてくれたお陰でしょう。こうして地味に少しずつ認知を創っていき、事例や制度を増やしていき、社会事業が生まれ、継続していく仕組みができていくのです。</p>
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こうした業界が少しずつ産声をあげ、はいはいをしようとする赤ん坊の状態の時に、ビジネスエリートたちは揶揄の声を浴びせかけます。かつて自分たちの業界が同じように赤ん坊から大人に育っていったことは心のどこかに置き忘れ、そして自分たちが同じような罵声を大人たちから浴びて悔しい思いをしたのを忘れ、社会のために汗をかこうとしている若者=かつての自分たちをせせら笑うのです。これを皮肉と言わず、何と呼びましょう。</p> — <a href="http://komazaki.seesaa.net/article/135762282.html" target="_blank">Days like thankful monologue<br/>病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog: 東洋経済でサイバーエージェント社長らに社会起業家がおおいに叩かれている件について</a> (via <a href="http://nakano.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">nakano</a>) (via <a href="http://laft.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">laft</a>) (via <a href="http://hogefugapiyo.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">hogefugapiyo</a>)
2009-12-22 (via <a href="http://gkojay.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">gkojay</a>) (via <a href="http://nakano.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">nakano</a>) (via <a href="http://kml.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">kml</a>) (via <a href="http://tiga.tumblr.com/" class="tumblr_blog" target="_blank">tiga</a>)