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学術・実業むけ用語の訳語対照表

1、目的
特定詞彙やその訳出日本語が局所での慣習・誤謬・意図により各々で相異し、ちがうものを指しあって議論・理解に大きな混乱・遅滞をきたす場面はおおい 学術・実業むけ用語のなかから現在時点で多少不自然であっても詞義や成語義などを基準となる英語で処理したほうがトレードオフ的によりよい(EG.意味空間の張りなおしがあったとしても議論において比較効果がある)と判断するものを選択し、対訳関係を規範的に固定してその固定訳を優先的に使用したり英語の読みをそのまま外来語として使用することでこの課題の解決効果をためす 翻訳記事の訳出揺れを抑えるためのカスタマイズ辞書制作とも類似する

2、訳語対照表
SYSTEM/系統・系・システム、INTERFACE/インタフェース、SPECIFICATION/仕様、CONDITION/条件、CHARACTERISTIC/特性、OBJECTIVE/目的、ACTION/行動・作用、REACTION/反応、ACTIVITY/活動、DESIGN/設計・デザイン、VISION/ビジョン、STRATEGY/戦略、GOAL IMAGE/目標、WORKING RULES/行動規範、CRITERIA/判断基準、PERSPECTIVE/視点、

MECHANISM/機序・メカニズム、DYNAMICS/ダイナミクス・動態(DYNAMICで動的)、COMPOSITION/組成・創作・構図、SET/一式・集合・系列・セット、SERIES/直列・配列・シリーズ、STRUCTURE/構造・体系(混みいった全体が組織されてなる状態やその結合律・相互関係(EG.関係ツリー図)・構想の状態記述が詞「体系」の定義の1例 STRUCTUREの訳語は中国語で体系のほか精心組織・周密安排とも*1 ここでは動的で有機序的なニュアンスをもつSYSTEM/系統・SYSTEMATICS/系統学(EG.生物種の発生)には訳語として体系・系列をあてず科学技術用語用法に極力あわせる 系はつなぐ)、CONSTRUCTION/施工・建造・構築・構成、ARCHITECTURE/建築物・アーキテクチャ、

NOTION/概念・信念、EVENT/出来事・イベント、CONCEPT/コンセプト(≙何らかの抽象とむすびついたアイデア つかいにくいが観念とも)、INTENTION/意図、QUALIFICATION/説明、CLASSIFICATION/分類、INSTRUCTION/指示、ORDER/命令、TRAINING/訓練、PROGRAM/プログラム(中国語で=程序)・計画、

WORK/作品・仕事・加工対象、PRODUCT/生産品・製品(=制作品)、MASS-PRODUCT/大量生産品、PRODUCTION([V]PRODUCE)/生産・制作・産出・育成、MANUFACTURING/製造(=大量生産)、PROCESS/過程・加工・プロセス、PROCEDURE/進行・手続き、OPERATION/操作・運用、GENERATION/生成・世代、

SHAPE/形・形成、FORM/型・造型・形式・フォーム、STYLE/様式・体裁・風格・流・派・スタイル、TYPE/類・類型・タイプ、MODEL/型式・模範・モデル、FORMAT([A]FORMAL)/格式・書式・フォーマット、APPEARANCE/外観形状・形態・容貌、

DOCUMENT/(被参照)資料(語源はDOCERE/教える)、RESOURCE/資源(=有価値材料)、PROPERTY/資産・特性要素、MATERIAL/材料、SUBSTANCE/物体、PHENOMENON/現象、THING/もの(物体・現象とも含む)、LITERATURE/文献(公開の有無によらず文字文章からなる被参照性・証拠性の生じた書記は社会の資料に献じる意味で文献とする)、DESCRIPTION/記述、TRANSCRIPTION/表記[法]、TEXT/本文・教科書・テキスト((1)文献から図表と別立て付属情報をのぞいた主部分(さらに本文から注記をのぞいた略原テキスト部分は正文/MAIN TEXT)(2)文字配列であらわす言語的情報(中国語で=文本)(3)哲学 – テキスト論/TEXT THEORYの対象としての専有用語テクスト(著者依存のないテキストが定義の1)、3義ともに「テキスト」で代表させる)、LANGUAGE/言語、WORD/詞(語でも)、PHRASE/(英語語法上)フレーズ、CLAUSE/(英語語法上)クローズ・(英語語法上・詩学上)節*2、SENTENCE/句(文でも)、PARAGRAPH/段落・(法律文上)項、ARTICLE/条・記事、SECTION/節、CHAPTER/章、PART/編・部、LINE/(西洋詩学上)行・(日中詩学上)句*3、FOOT/詩脚、METER/歩格、STANZA/詩節、A PIECE/一篇・一首・一件(以上詩文・作品むけ量詞の例)・一曲(音楽むけ同)、

PUBLICATION/刊行書(刊行の定義は版刷が公売・公表されること、刊は木を削るが原義)、SERIES PUBLICATIONS(=SERIAL~とも)/逐次刊行書(含雑誌・報紙)、BOOK/図書(=書、文籍と図籍とをあわせたメディア形態をさしたもの 書冊だけでなく書巻/SCROLLなどを含める 法的定義の1に「BOOK/図書は本文(文字頁・片)として5バンドル以上の書冊からなる版刷非逐次刊行書」がある 籍はメディアの義「本」は書への量詞が基本)、PAPER/文書(=文書類、文献の形態をさす、また他媒体文献も刊行されないものは文書/PAPERで通用しておく、公/OFFICIAL文書、書信その他私文書(EG.合意書/AGREEMENT、書面記録/WRITTEN RECORD、覚書/MEMO等)、学術論文など逐刊内の要素としての文献(EG.学術文書、技術文書)などもまとめて文献形態としてのPAPER/文書と実用上あつかっておく)、PALEOGRAPH/古文書(≜古代通信文書/ANCIENT COMMUNICATION PAPERのこと 近代より前の通信文書類であって媒体としての物体を伴う文書のみを指す 古文書学・文書史学上の定義の1)、WRITING/書面(文字・文章を書きつけたメディア/籍の全般をさし、書契としての甲骨金石簡帛等を媒体とした古代文籍形態をふくめるなど広義の「文書」全体をさすときや、さらに広く目的のため文字に限らない可視記号を物体に捺削し書する行為をさすときに補助的につかう詞)、STANDARD/標準、LEVEL/水準・レベル、ARTICLE LEVEL PUBLICATION/記事水準刊行物、MULTIPLE CONTENT FORMS/複合型コンテンツ、MULTIMEDIA/マルチメディア、SOCIAL MEDIA/ソーシャルメディア

参照
1商務印書館&英オクスフォード大『OXFORD ADVANCED LEARNER’S ENGLISH-CHINESE DICTIONARY』(7ED-3RD、2009)
2斎藤他『明解言語学辞典』(三省堂2015)
3Fuller『An Introduction to Chinese Poetry』(Harvard U.P. 2017)
4『标点符号用法』(中国政府外発1995)
5輿水『中国語の語法の話』(光生館1985)
6佐藤進一『古文書学入門』(法政大学出版局1971)

(変更 2024-11-21)

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