公開 2025-10-30
変更 2025-11-09
コンピューター・プリンター・ユーザーなど、前世紀のJIS規格およびそれをうけた前世紀のマイクロソフト社正書法に慣れた者には違和感の強いコンピューターまわり用語が目につく これは2005年のJIS規格修正(詞末長音有無は無から不問と変更)、2008年以降のマイクロソフト社正書法における長音追加への大幅変更開始、2019年のJIS規格再修正(長音は91訓令にならい有と変更、Z8301:2019 – 付属書H – H.2 用字)へとつながっていく、1991年の政府外発(用字などに関する内閣告示及び内閣訓令:平成23.3、91訓令と略記):「-ER・-OR・-ARつづり用語のカナ表記は長音「ー」を付ける原則(“ただし、慣用に応じて「ー」を省くことができる”)」、の訓令告示を民間にも取り入れたものである
90年代の仮名詞表記法議論の落としどころは、良し悪しでなく当時通行のMS表記にならうしか仕方がないとの結末だったが、現在も2019年のJIS規格変更が契機とはいえ結果的には以前の流れをおそってMS表記が通行する正書法とみなされているようだ そのなかで相変わらず長音をつけない「非原則カナ詞」がマイクロソフト社から日本語化スタイルガイド/Japanese Localization Style Guide(参照 2025-10-30、以下MSスタイルガイド)として公表されており、覚えられないため必要な部分を後述の{非原則検討詞、非原則残留詞}と仕分けしてリストアップしておく ここに出ないITまわりの-ER・-OR・-AR・-Y・-REつづり用語のカナ表記は迷ったら91年訓令にならって長音「ー」を付けるべきとできる ただし個別の対応が必要となる詞はまだ多く存在しているだろう 今後の規範のシェイプアップ・明確化が望まれる
ここではMSスタイルガイド上の非原則カナ詞から以下の非原則検討詞を選択し、これらは本来的には長音を付ける様に修正すべきと考え個人的な表記には以後この変更方針を採用してみる(非原則検討詞については特別にMS表記法を無視して長音を付けても違和感なし・慣れるとする)
またMSスタイルガイド上の非原則カナ詞において長音を追加すると明らかな違和感を個人的に感じるためそのまま変更しないとして残留している非原則残留詞をすべて列記した
●MSスタイルガイドにおける注目すべき非原則検討詞(+以降は資料中の非ER・OR・AR詞):
アクセラレータ(accelerator)、コネクタ(connector)、コンパイラ(compiler)、コンベヤ(conveyor)、スケジューラ(scheduler)、ターミネータ(terminator)、トランジスタ(transistor)、プログラマ(programmer)、プロセッサ(processor)、ラジエータ(radiator)、レジスタ(register)
+プロパティ(PROPERTY、P.11)、ジェスチャ(GESTURE、P.12)、プライマリ(PRIMARY、P.13)、セカンダリ(SECONDARY、P.13)、アクセシビリティ(ACCESSIBILITY、P.15)、セキュリティ(SECURITY、P.28)、メモリ(MEMORY、P.49)クエリ(QUERY、P.50)、キャプチャ(CAPTURE、P.56)、プロシージャ(PROCEDURE、P.63)、アイディ(ID、P.65)
●慣用に応じて「ー」を省く非原則残留詞としてのMS表記の例(MSスタイルガイド内の詞に限り転記):
メートル、バリア、バザール、アウトドア、インドア、ベア、ビール、キャリア、ピア、ポリエステル、クリア、プレミア、プロペラ、リア、ドル、ドア、エンジニア、シニア、ジュニア、エクステリア、インテリア、スリッパ、フロア、ステラ、ギア、タール、ユーモア、リニア
+セキュア(SECURE、P.65)
以上2項が現在のMSスタイルガイドに載る「非原則カナ詞」のすべてとなる 以下はうち非原則検討詞に対する個人的な今後の表記方針である:
アクセラレーター、コネクター、コンパイラー、コンベヤー、スケジューラー、ターミネーター、トランジスター(+キャパシター、インダクター)、プログラマー、プロセッサー、ラジエーター、レジスター、プロパティー、ジェスチャー、プライマリー、セカンダリー、セキュリティー、メモリー、クエリー、キャプチャー、プロシージャー、アイディー
参照
●『MSが長⾳付けルール変更、「ドライバ」を「ドライバー」に』(ウエブ記事2008、参照 2025-10-30:https://atmarkit.itmedia.co.jp/news/200807/25/microsoft.html)
●MICROSOFT『Japanese Localization Style Guide – Katakana prolonged sound mark項』(参照 2025-10-30(PDF2MBへの直接リンク):https://download.microsoft.com/download/a/8/2/a822a118-18d4-4429-b857-1b65ab388315/jpn-jpn-StyleGuide.pdf)
●テクニカルコミュニケーター協会『カタカナ表記ガイドライン』(2015年版、参照 2025-10-30(PDF1MBへの直接リンク):https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/kokugo_kadai/iinkai_45/pdf/93390601_09.pdf)
●「まきのっぴ氏によるまとめ」(ソーシャルネット記事、参照 2025-10-30:https://x.com/pmakino/status/1751905483521491386)

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