短歌の泉
本居宣長に関する本(日野『本居宣長集』新潮1983)に、短歌における情動効果3大テーマは宣長著作からひくと1恋愛、2戦場での臨死、3子をなくした親、だろうとあったので短歌初学者にかかわらずおもいきっていろいろ投稿してみた時のバックアップ(うたよみんは2023年3月末でサービス終了とのこと) もうすこし素養がついて気ものったらまた短歌つくるの再開したい
投稿先:うたよみん(号:いろいろ)バックアップ(2016-09-04~2019-05-28)https://www.utayom.in/users/2899(2023-03-DD終了)
2016/09/04
つはものの まぎはのきはの つたえむを
おやぞしるらむ そのおやもまた
2016/09/04
またみしと きみをおくらむ このつじに
いまぞきたりて みめあはなくも
2016/09/04
こなたには かむよのたまの つかさどる
しるしうつらめ かがみぞあがこ
2016/09/05
ふりかへり くにつゆめにし かたちみて
くひはなきかな いまゆきゆかむ
2016/09/06
このさかを のぼればきみに あへるとて
のぼりきるなり つたへなぞかし
2016/09/06
いもがむね ゆへてみるらむ ふだかざり
あををあみたり われをのこにて
2016/09/07
しらせなし やまひにふせる ははなれど
なほもわがこの ぶじをいのれり
2016/09/07
わたつみに ちりてかくれし このすがた
いずくみゆらむ そのほねなくに
2016/09/08
いまはにて いたきもいまに わすれぐさ
いわをむすびめ さかへよみくに
2016/09/08
とこしへの それゐになりて おはします
われやすくにの はしらなりけり
2016/09/09
ひとりでも まへにいくとて けしきばみ
きみがよりくる このさかつづけ
2016/09/09
すれちがひ うつむくきみの はづかほの
こころしりたし あなこがれしか
2016/09/10
よつぎにと めでつそだてた こをなくし
いへはとだへぬ きせつぞすぎね
2016/09/11
あまつよを おさめたまひし すめろぎの
ねがひにかなへ わがいのちもて
2016/09/11
やまとには はなふぶくかぜ いはしみず
われわすれまじ いまいぬれども
2016/09/12
あふたびに われにひがごと のぶるきみ
あならうたしや こひうらがへし
2016/09/12
こひびとの ふみをみせむと きこへども
たづねがたきは おくそこのこゑ
2016/09/13
あめつちの いかりにふれて かへりぬる
ちひさきむくろ あなこごへしや
2016/09/14
さよふけて うたぞきこゆる いつのよも
くにみだるるは さだめなりけり
2016/09/14
よひしとみ やうやうあけぬ ここちせり
とこしへまでも むくはれりしか
2016/09/15
もろびとの こゑきこへたり うるはしの
さやきをとこに きみなびきしを
2016/09/15
あらぶりて ゆみつがへたり きみつむね
にくきほどにも こひわづらひて
2016/09/16
わがそでは ぬれそぼちたり たまのをの
きえうせぬとは つゆもおもはず
2016/09/16
とぶらひの ひもきゆるなり さきだちぬ
あこにかはりて たちたたなくば
2016/09/17
うなはらに きみのなごりそ よぶこどり
しるきおもひに たちすくみたり
2016/09/18
たちばなの はなとちらむと おもへども
なほふるさとの けしきそこゑそ
2016/09/19
あいしやうの こころしみたり きりかみの
こもかくれみゆ あさぼらけかな
2016/09/20
ここのつの ちごのいわいの しるしとて
そりたるまゆの あとぞいとしき
2016/09/21
のちのよに とはにつたへよ ますらをの
やまとのくにの ちすぢなりきと
2016/09/22
かざくるま なにをいはむや やまごへの
いつきののべに さはにまはりぬ
2016/09/23
とほつみめの みづみづしきや そのゑみも
ふるまひもみな われはわすれじ
2016/09/24
ながあめの かりほのもとに つきはてし
ながるるものは いのちなりけり
2016/09/25
なげきとて かへるものでは あらなくに
なほもしのひつ いとけなきかほ
2016/09/26
しるきはだ きみにとどけや みずしぶき
うちかぶりても ゑみのこぼるる
2016/09/27
みをいたみ いまはにふせぬ くさふかの
おほひのぼりて つゆのかはかむ
2016/09/28
やまのへの みくさかきわけ まうでいづ
ちひさきあこの のばかさびしき
2016/09/29
やすみどき つどへしきみの うちわらふ
すこしわろびて おもかげのこす
2016/09/30
こののべに ちよにさくらむ いたみばな
たとへわがみの ちりときえても
2016/10/01
しぬること なかれとだいた あこのみを
たれそむすびめ うつつのえだに
2016/10/03
みちくまに むかしのきみを おもへども
いづくみゆらむ そのこひごころ
2016/10/04
うまれおち しぬてふことは おろかにて
めめしきものと やうやうみたり
2016/10/05
にきみたま こののきさきの いとしごの
わにはいりてな いざあそびてな
2016/10/06
きみをおひ ひとりたづねき はなのだん
いまやはづきの おとぞきこえむ
2016/10/07
くにせおひ いまこときれる このみなら
いひなづけさへ わすれきえむか
2016/10/08
あしかびの もえあがるごと おほぞらへ
ちひさきいのち のぼりけるなり
2016/10/09
おほぞらに たかきみくさに こひびとに
きみのすがたを かさねみゆかな
2016/10/10
うぶすなの みなのけはひは ことほぎに
みくにのさかえ われもひとくさ
2016/10/11
したのはの はえかはるのを まちにけり
あかのしめおび あをのつきかげ
2016/10/12
きやうしつの すみでひろひし にんぎやうを
きみにわたして つきかへされり
2016/10/13
うでもがれ おいつめられし このとちで
こきやうのかほり むねにいだきて
2016/10/14
此世には出来る範囲の技を持て安く楽しく生ききるが善し
2016/10/15
いくよにも かいはうなべし かひもなく
あはれわがこの かほみつるれば
2016/10/16
こののべに はなつむきみの しるしあれば
こゑかけたきや ためらひなくに
2016/10/17
くにとりの いくさにやぶれ このちにて
おはりむかえむ せんかもなしに
2016/10/18
あさもやの おはりうなばら かむしまに
とこしへのたま おりたちゐます
2016/10/19
てふてふや つぎのこえだに うつるらむ
ときじくかぜの ふきすさぶとて
2016/10/20
いときなく むれゐるこらの ゑわらふに
なくしたあこも まじらひつらむ
2016/10/21
みすみすに いくよかぞへむ いへのまど
きみのやすめる すがたおもへば
2016/10/22
じりじりと にえくりかへる はらにさへ
いちずのこころ いきわたるかな
2016/10/23
てんさいに あふことなくば としごろの
こにそだつらむ みめもかなひて
2016/10/24
たつたにも ふゆきたるらむ われはまだ
こころしのひつ そらものがたり
2016/10/25
うまれおち いまはよみじに いたるとも
かむながらみち しきのべえたり
2016/10/26
われこそば さきにいぬれば よかりしと
あみめはつづく ながきくみひも
2016/10/27
しらまゆみ えだほそきゆへ わがむねも
ゆれうごきたる かぜもふかじに
2016/10/29
こころして うしをうしとぞ いはなくば
このよはよきに まはりゆくなむ
2016/10/30
ちはやぶる かみのこころは しらねども
よろこばしきは いづくあるらむ
2017/05/17
喉元に忘れた歌が宿り来て出でたがるのは爛漫ゆえか
2017/05/17
さやさやとこぼれるような躍動をいとしく思う同じ命と
2017/05/18
お互いの逸る気持ちがすれ違い淡い期待は流されていく
2017/05/19
愚かにて見切りが悪く意気地なし補い余るこの湧く気持ちは
2017/05/23
木漏れ日の早瀬を登り若き葉に音の沁みこむ奥入瀬の初夏
2017/05/24
ほどほどにできる範囲で最良の技と知恵とを発揮させたい
2017/05/24
美味し花津軽の膳に寄せ合えて食んでしまえば消えて鳴くなり
2017/05/25
息速水三十一文字の文学に登り初めれば萌木の伊吹
2017/05/26
なにげなく隠された美が蠢いて頭の中の判断を食む
2017/05/27
漠とした体に響くモオツアルト弾くピアノが深夜に溶ける
2017/05/28
心さえ腕の良ささえ体さえ切れ/\の皆の集いと知れば
2017/05/28
キャンバスに無心で向かえる早朝の希望に満ちた始動の感覚
2017/05/29
チエンバロの生の響きを思い出しパソコンの音すり替えてみる
2017/05/30
蓮鉢に泳ぎ始めた目高の子水遣る時は底まで潜れ
2017/05/31
楽しいと思う気持ちが自分から発つと意識をしない練習
2017/06/01
くるしさも時には晴れる雨の日のひとり言さえ流れて消える
2017/06/02
年月をやさしく撫でる白い腕すべてが夢ですべてが現実
2017/06/03
思い出は忘れてしまえ思い出のために生きてもそれは思い出
2017/06/04
翌桧の若葉が揺れる言霊の力に想うきっと叶うと
2017/06/05
戯れの言葉遊びに過ぎないが自然自信を疑ってみる
2017/06/06
かきつばた時を待つなり朝日受け光の筋もあまた散るらん
2017/06/07
花びらの輪郭たどり鮮やかに抜き出してみる心の切り絵
2017/06/08
愚かなる心の襞に刻まれたしるき記憶を洗い流す日々
2017/06/09
掻き跡の残りし肌の模様にも近寄り見れば命宿れり
2017/06/09
無作為の美しささえ跳ね超えて瑞々しさが思考より出づ
2017/06/10
褒められた構成よりも今はただ画面いっぱい描ききりたい
2017/06/11
本物と対峙をしたい印刷の書は何ゆえに心誘うか
2017/06/12
遠つ目の笑みと仕草にあてられて甘い気持ちでいっぱいになる
2017/06/12
くやしさに心動く日もあるけれど心動くならそれもいいかも
2017/06/13
吹き狂う嵐が丘に君を待ち腕を伸ばせど把むことなく
2017/06/14
浮草の軋む音色を携えて水面の揚がる時のまにまに
2017/06/15
まわりともできる範囲で調和すべく努力をしても出てしまう杭
2017/06/16
大好きな作家の本を買い揃え楽しみにして積んでおく癖
2017/06/16
今はまだ涙の時ではないけれど時が満つればいつか流せる
2017/06/17
思い出を箱に詰めるや悲しみに塗り替えられたその思い出を
2017/06/19
花びらの下地は白く平らでも表情作る陰とさし色
2017/06/20
いまはまだ手掛かりさえも無かりしもいつかよく見んその立姿
2017/06/21
大雨にはしゃぐ子たちの声聞きて道をそゆかん我大人にて
2017/06/23
千年の時の流るる川面にも今に砕けるこの水しぶき
2017/06/24
何ひとつ不満もなしに生きていく事もできるのに偽りなしに
2017/06/25
夢に出る忘れた日々の思い出は潜在意識に刻まれた傷
2017/06/26
この町に静かな日々を重ねつつ身につけている人の暮らしを
2017/06/29
久々に君がいいねをくれたから忘れかけてた詩を紡ごう
2017/07/01
想い事口に出したらそのうちに叶うのかなと心で想う
2017/07/04
検索の文字は疾みて駆け巡る見つからぬ様id変える
2017/07/09
生活をたてなおす度新しい予定表見て満足してる
2017/07/11
友人をアシストしたい気はあれどつかず離れずつきあっていく
2017/07/12
手に取って調べることができるなら知りつくしたい幸せの意味
2017/07/21
知り合えた君から掛かる言葉待ち今日も画面をじっと見つめる
2017/07/22
束の間の会話も途切れ息をつきもう寝たのかと思いを馳せる
2017/07/23
夏の日に夜明けを待たず鳴く蝉の今年の生命七つの生命
2017/07/25
連絡を少し控えた昨日には寂しくさせたと勘違いする
2017/08/03
むら雲の染まる夕べに君想い川辺歩けばあきづいざない
2017/08/04
クラシック乍ら聴きつつみやびなる言葉の意味を考えている
2017/08/07
速水川疾るこころの止むものや雨の激しく成りゆくままに
2017/08/10
白鷺のかたち愛でたし細かれば妹のしぐさもかくあらまくに
2017/08/11
何事も感じ動ける種なれば素直な心呼び戻すだけ
2017/08/12
朝風に今抱かるらむ朝もやに隠れて見えじ吾妹の寝顔
2017/08/13
何事も準備だけして放置してその日が来るのをひたすらに待つ
2017/08/18
古桶に満つしづかなる情熱が今チリチリと音立てはじめ
2017/08/18
せつなさも届くや否や君の待つ白く可愛いその装いに
2017/08/19
がんぜない子供の問いか大人にも答えられないこの不条理は
2017/08/20
健やかで心楽しく穏やかな人の集いて心が動く
2017/08/21
着せ替えの顔の並ぶも縫製の派手る布地も楽しからんや
2017/08/23
新生の九の巡りの愛の詩十三世紀に想いを馳せる
2017/08/24
真白なるキャンバス染めて未だならじマスターピースのあさき夢見る
2017/08/25
空淡し借りた写真機持ち出して狙い定める明けの白鷺
2017/08/25
夕暮れの川面に集う夏燕合い交わりて雨の降るらん
2017/08/26
窓を開け陽を浴び風に吹かれれば迎える秋の心地さえする
2017/08/26
三日月のいと細きにて命だに細くか弱きものかと思う
2017/08/28
蝶のごと心も揺れり石のごと心しづまる秋の日々かな
2017/08/31
秋の野にいざ立たすらむ短かりし夏を忘れたその秋の野に
2017/09/01
山の辺の淡き境の薄煙る明けの景色に溶け込めるかな
2017/09/14
庭先に白くこぼれる玉簾過ぎた季節にかぶら揺らして
2017/09/15
神代にもかくにあらんか朝風に乗りて出でます明かき好日
2017/09/17
寝る夜にも朝にも聞こゆ虫の音の鳴り響いては秋の更けゆく
2017/09/18
楠にもたれかかれば注連縄の幹に映えるやひとりでなくに
2017/09/23
ふじやまの頂に立つ護国碑の時代を超える平和の願い
2017/09/24
花菖蒲枯れて久しき秋の池只一輪の狂い咲きかな
2017/09/25
長月の過ぎゆくままに日々暮らしやがて来るらん霜床の冬
2017/09/26
世の中は晴れ晴れしくも禍々し混沌の中皆進みゆく
2017/09/27
歌い手に身を映すごと引き込まれ心の騒ぐ事もあるかな
2017/09/29
雨過ごし肌の寒きや流る瀬の色も変わるや古里の秋
2017/09/30
海原にカモメ飛び交う大八島民の心に安らぎ立てめ
2017/10/04
古もかくにあらんかあずき島凪の海辺に舟の行きかう
2017/10/05
川越しの野山の明く照らされて心は月に乗り移るかな
2017/10/08
わご君のおおみたからを守るてふ心はかりて世を憂うかな
2017/10/09
神懸の尾根に切り立つ荒岩に寄りて偲ばん遠見の景色
2017/10/12
うつりゆく日々に想いを馳せねども命は継がれ季節は過ぎぬ
2017/10/13
定型詩今この時を刻めども千年を生き千年を跳ぶ
2017/10/14
立ち昇る靄に隠れる龍田山木の葉の色も変わりゆくかな
2017/10/15
誰がために思い祈るやうつつよの国平らにと民安かれと
2017/10/16
おみな草茂る野山に分け入れば素朴な秋の匂いぞ満つる
2018/01/20
やさしさと強さの庇護がある限り人の力は世に限りない
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2019/04/21
青裾の三笠の山の霞さへ隠さふべきか峰の思ひを
2019/04/22
問ふべきや沈む夕日に渡されし朧の月のその朱色に
2019/04/23
赤々と明けのとばりの開くるとも心許なき宵待ちの月
2019/04/25
令き月の西の山辺にかたぶきて風もやはらぐかげろひの朝
2019/05/09
さや月の夜のとばりは肌寒しこの身は小舟いざ漕ぎ出でな
2019/05/10
八十隈の樟のかをりの花稚児に今日は逢はむぞ明日逢はまくや
2019/05/28
散りてなほ匂いの残るあやめさへ忘らむことのあらなくもがな
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