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「源」「原」「元」のつかいわけ

詞「SOURCE」のもつ詞義を含む日本語には「源」「原」「元」をつかうことがおおい これらの個人的つかいわけを特定中国語辞書*1での見出し語のあつかいから決めてみた(〇印にて表記、同辞書に2位でのる△印の見出し語もつかわないようつとめる、Xは同辞書の見出しになく中国ではあまり使われないとみなした語)

表記決定例:
●SOURCE/〇(中国語では来源・出所・起源・根源・原因)
●ORIGIN/〇起源X起原(中国語では起源・源頭・起因・出身)
●RIGHTEOUS ORIGINAL TEXT/〇原文X原典*2(中国語では原来的本文・原作的本文・首創的本文)
●ORIGINAL BOOK/〇原著X原典X原本(中国語では原著・正本・原稿・原作・原書)
●ORIGINAL DOCUMENT/〇原資料X原本(中国語では原始資料・原件・原物、日本語「X現物」は中国語で実物・現品、同「X元本」は中国語では本金・本銭とある)
●RESTORATION/〇復原△復元 (中国語では復原・回復・回到原来的状態)

参照文献『原典をめざして』にて、表題の詞「原典」が未定義・詞義揺れ・使用忌避を生じているため、何をめざしているのか、文中の詞義揺れや表題語をわざわざ避けて説明をすすめる特性は何に起因するか、を考察したことがここでのつかいわけの動機である とりあげた例では慣用詞義が現在1つにさだまらない詞「原典(図書・文書など正当な根拠になりうる資料実体にも、記載情報としての正当な「本文そのもの」にも、一般的に「典」が使われる)」「原本(綴じた図書でないオリジナル資料にも一般的に「本」が使われる)」は中国語にもなく極力つかわないよう試してみる、同義詞「復原」・「復元」は原に一本化する(装置などに対する詞「復元」の慣用頻度は高いが中国語にならい中止)、となった

参照
1北京商務印書館&小学館『中日辞典』『日中辞典』(2版、小学館2003)
2橋本不美男P(早大)『原典をめざして』(4版、笠間1983)
3商務印書館&英オクスフォード大『OXFORD ADVANCED LEARNER’S ENGLISH-CHINESE DICTIONARY』(7ED-3RD、2009)

(変更 2024-06-08)