願永思而毋絶(思い永に絶ゆるなからんと願う)
前漢期下旬(~BCE1C)に銘文つき鏡が中日でもっとも流行した(統治者のあいだで文のあらわす哀調が気にいられたか?) その後には図で神仙思想をあらわした後漢鏡に模様の流行がうつっていく*1
前漢期の清白鏡(まそかがみ)銘文は鏡にむかい会えない人をおもう独白とのこと:
「潔清白而事君 怨汚穢之昭明 微玄錫[磨き薬]之流澤 恐疎遠而日忘 懐媚美之躬體 外承歡[ねらいうち]之可悦 慕窈窕[たおやか]之霊影 願永思而毋絶[たゆるなからんとねごう]」
(CF.鵬宇・李零の解釈『幾種漢代鏡銘補說』*2)
・「永」古訓:とこしなえ・ひたふる
殷周期の青銅器によく刻んである金文の詩(~C.BCE10C)を図書館で写真集ながめてたら現在と千年前の古今集と二千年前の前漢鏡と三千年前の祭祀青銅器とやってることもかいてあることもよんだ鑑賞効果もまあ同類だった 千年後に現在をみてもやはり未来と同類なんだろうけど何が典型に選ばれるだろうか
参照:
1西川『2000年前の舶載鏡―異体字銘帯鏡と弥生の王』(2000、PDF2MB)https://www.jstage.jst.go.jp/article/nihonkokogaku1994/7/10/7_10_25/_pdf/-char/ja
2陳(復旦大)『幾種漢代鏡銘補說』(2018)http://www.fdgwz.org.cn/Web/Show/4204
(変更 2023-09-15)