日中古代文献の説明様式
日中の古代文献/ANCIENT LITERATURE(ここで古代文献≜古書 古書の定義は成書年代において和古書<C.1868、中国古書(古代漢籍)<C.1912@図書館情報学にならう)にあらわれる書面語文についてなにかを説明するときの様式ひな型をまとめる
1、参照/REFERENCE(底本・影像)
2、介入正文/INTERVENED ORIGINAL TEXT(同定・本文批判・正誤・様式揃え等により介入操作を施した正文)
3、解釈/INTERPRETATION(~判断、≜正当に理解し鑑賞すること)
4、翻訳/TRANSLATION
5、議論/DISCUSSION
・介入正文は通用的に「原文」とよばれこれを採用する
・「釈文/INTERPRETED TEXT」は字形・発話音・詞義・文義・文脈・異同などを解釈して元の正文を修改した介入正文をさしここでは原文と同義になる
・校訂・校合・校勘の「校」「訂」はともに「複数をつきあわせ得失比較して1つにまとめる/CONFLATION」との義
・「校正/EMENDATION・PROOFREADING」は目ざす完成刷りと試し刷りとを校して正当なものに修正し刷版を定める行為をさす
作業の内容:
1引く、2作る、3注す、4訳す、5説く
・注とは{そそぐ、ひっつける、しるす}のこと
項だての例:
1、底本、著録(出処をしめす)、影像・影印(資料の写真複製/PHOTOCOPY、その印本)
2、原文(=正文、原著・影像から文字列を同定(翻刻)し標点記法などの便宜的介入をほどこした原文、解釈の説明のために改変された原文、含異同・引例・校訂・誤訛の拠改、釈文とも)
3、注解(=注釈、「注解」の出典は(唐)孔『尚書正義 – 尚書序』に“佐成序義、明以注解”)、注(元の文に逐次の注/ANNOTATION文を加えて部分解釈や出処・考察等を訓釈(~説明)の義)、疏(そ、=義疏・正義、≜注の注や講義録などのさらに詳密な追加解釈の訓釈の義)、解読(解釈して読みすすめた内容を訓釈の義)
4、訳文、白話文(現在中国の書面語文・近代の口頭語様式の書面語文に翻訳すること)、訓読文(日本訓点文また書き下し文、古代日本書面語文をつかう直訳読解法書面語文の1)
5、考察/CONSIDERATION、批評/CRITICISM、論点/ISSUE(含説明/PERSUASION・主張/ARGUMENT・意見/CLAIM)
参照:
橋本不美男P(早大)『原典をめざして』(4版、笠間1983)
藤堂明保P(東大他)編『漢和大辞典』(学研1978)
小川環樹EP(東大)他『漢文入門』(岩波全書1957)
長澤規矩也編『図書学辞典』(三省堂1979)
(変更 2024-10-06)
###